『すずめの戸締まり』聖地巡礼スポット18選|宮崎・大分・愛媛・東京・岩手・宮城などの舞台を徹底解説

新海誠監督が贈る、災いの元となる「扉」を閉める旅に出た少女の物語『すずめの戸締まり』。日本各地を巡る壮大なロードムービーは、観客を感動と興奮の渦に巻き込み、興行収入147.9億円を記録する大ヒットとなりました。美しい映像と心に響くストーリーは、今も多くの人の心に深く刻まれています。

この記事では、すずめが旅した日本各地の舞台となった聖地巡礼スポットを18箇所、厳選してご紹介します。すずめの故郷である九州から、扉を閉めるために向かった東京、そしてクライマックスの地である東北まで、映画に登場したあの場所をエリア別に徹底解説。

映画の感動をもう一度、リアルな場所で感じられる聖地巡礼の旅へ――。すずめと草太、そしてダイジンの記憶をたどる冒険に、あなたも出かけてみませんか?

『すずめの戸締まり』とは?あらすじと見どころ

九州の静かな町で暮らす17歳の女子高校生・岩戸鈴芽は、ある日「扉」を探しているという旅の青年・宗像草太と出会います。彼の後を追って山中の廃墟にたどり着いたすずめは、不思議な古い扉を発見し、引き寄せられるようにその扉を開けてしまいます。

しかし、その扉は、自然災害を引き起こす“ミミズ”と呼ばれる災厄を解き放つ「後ろ戸」でした。全国の廃墟に点在する後ろ戸が開き、再び大災害が起ころうとするなか、草太は椅子の姿に変えられてしまい、すずめは彼と共に扉を閉める旅に出ます。

宮崎、愛媛、兵庫、東京、そして岩手へ——。日本列島を縦断する旅路で、すずめはさまざまな人々と出会い、別れ、そして自分の過去と向き合っていきます。災いと記憶、喪失と再生。そのすべてが交差する旅の果てに、彼女が見るものとは——。

『すずめの戸締まり』は、壮大な風景と心に残るストーリーが融合した、新海誠監督ならではの映像詩。美しさと哀しみが織りなす、忘れられない“旅”の物語です。

【『すずめの戸締まり 』の聖地 九州編】すずめの故郷から旅の始まり(宮崎・大分・熊本)

油津港(宮崎県)

『すずめの戸締まり』で、すずめと草太が出会う通学路の橋のモデルとされているのが、宮崎県日南市の油津港です。小説版や作中の描写では「宮崎県南部」と明示されており、新海誠監督が「日本神話の始まりの地」として選んだ特別な場所でもあります。油津港は江戸時代から飫肥杉の積出港として栄え、現在も大型客船の寄港地として活用されています。夏には「油津港まつり」が開かれ、3000発の花火大会が夜空と港を彩ります。映画の情景を思い起こしながら、ぜひ訪れてみてください。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:松岡明芳)/ライセンス:CC BY-SA 4.0

住所:宮崎県日南市油津4丁目12-16
アクセス:JR日南線「油津駅」から徒歩約20分
営業時間:始発便〜最終便(年中無休)

湯の鶴温泉(熊本県)

『すずめの戸締まり』で、草太を追ってすずめが迷い込んだ廃墟の温泉街「門波リゾート」のモデルのひとつとされるのが、熊本県の湯の鶴温泉です。約700年の歴史をもつこの温泉地は、湯出川沿いに古風な温泉旅館が立ち並び、静けさと郷愁を感じさせる雰囲気が魅力です。作中の欄干の形状や旅館の配置が一致しており、実際のロケハン地だった可能性も高いとされています。日帰り温泉施設もあるため、気軽に立ち寄るのにもおすすめです。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Hyolee2)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:熊本県水俣市湯出
アクセス:JR鹿児島本線「水俣駅」からバスで約25分(湯の鶴温泉下車)
営業時間:施設により異なる(年中無休)

杖立温泉(熊本県・大分県)

『すずめの戸締まり』に登場する廃墟の温泉街「門波リゾート」のモデルとしてもう一つ挙げられるのが、杖立温泉です。熊本県阿蘇郡と大分県日田市の境にあるこの温泉地は、1800年以上の歴史を持ち、「九州の奥座敷」として親しまれてきました。現在は廃業した旅館も多く、ノスタルジックな空気が作中の廃墟の雰囲気と重なります。弘法大師が名付けたとされる由来や、春の鯉のぼりイベントなど、歴史的・文化的な見どころも豊富です。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Miya.m)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:熊本県阿蘇郡小国町下城
アクセス:JR久大本線「日田駅」からバスで約40分(杖立温泉バス停下車すぐ)
営業時間:施設により異なる(年中無休)

湯平温泉(大分県)

湯平温泉は、『すずめの戸締まり』で描かれる廃墟の温泉街「門波リゾート」のモデルのひとつとして、特に有力視されている温泉地です。800年近い歴史を持ち、江戸後期に整備された石畳の坂道と、花合野川沿いの風景は、映画と驚くほど一致します。特に夜、赤提灯に照らされた石畳を歩くシーンは、映画の美しい記憶を追体験できるはず。浴衣で湯巡りを楽しめば、まさにすずめの世界に入り込んだ気分が味わえます。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Chi King)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:大分県由布市湯布院町湯平
アクセス:JR久大本線「湯平駅」から車で約10分
営業時間:施設により異なる(年中無休)

旧豊後森機関庫(大分県)

『すずめの戸締まり』で、すずめが「後ろ戸」を開けてしまった場所のモデルとされているのが、旧豊後森機関庫です。作中のキービジュアルにも使われた、印象的な円形(扇形)構造の建物がそのまま再現されています。1970年にその役目を終えましたが、現在は国の登録有形文化財に指定され、観光スポットとして整備されています。現地には、映画に登場する「扉」を再現したモニュメントもあり、ファン必見の聖地です。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:ハポニアラ)/ライセンス:CC BY-SA 4.0

住所:大分県玖珠郡玖珠町岩室36-15
アクセス:JR久大本線「豊後森駅」から徒歩約5分
営業時間:10:00〜16:00(年末年始休館)

佐賀関港(大分県)

『すずめの戸締まり』で、すずめと草太(椅子の姿)が四国へ渡るフェリーの乗船シーンのモデルとされるのが、大分県の佐賀関港です。ここから運航している「国道九四フェリー」は、愛媛県三崎港へと向かい、九州と四国を結ぶ最短ルートとして知られています。映画の描写とも多くの点で一致しており、旅路を追体験できるスポットです。なお、フェリーの外観は「オレンジフェリー」に近いとも言われ、複数の航路が参考にされている可能性もあります。目的地に応じて発着港を選ぶようご注意ください。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Kamezukakofun)/ライセンス:CC BY-SA 4.0

住所:大分県大分市佐賀関750-69
アクセス:JR日豊本線「幸崎駅」からタクシーで約15分
営業時間:始発便〜最終便(年中無休)

【『すずめの戸締まり 』の聖地 四国編】フェリーで渡った八幡浜の地(愛媛)

八幡浜港(愛媛県)

『すずめの戸締まり』で、九州からフェリーで四国へ渡ったすずめと草太(椅子)が、最初に降り立った場所が愛媛県の八幡浜港です。作中では、年季の入ったフェリーターミナルを背景にすずめが仁王立ちする印象的なシーンが描かれました。この旧フェリーターミナルは、老朽化のため映画公開前の2022年4月に取り壊され、現在は新しいフェリーターミナルが営業中です。当時の景色はもう見られませんが、八幡浜市は公式SNSでワンシーンの再現を行うなど、作品への敬意と地域PRを行っています。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Nagono)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:愛媛県八幡浜市出島1581-26
アクセス:JR予讃線「八幡浜駅」から徒歩約25分(タクシーで約5分)
営業時間:始発便〜最終便(年中無休)

JR伊予大洲駅(愛媛県)

『すずめの戸締まり』で、八幡浜港を出たすずめたちが向かったのが、JR伊予大洲駅です。ここは、駅員の帽子をかぶったダイジンが目撃された駅として知られており、作中では駅舎の形、背後の建物、電柱の配置までが非常に忠実に描かれています。伊予大洲駅は「伊予の小京都」と呼ばれる城下町・大洲市の玄関口。駅から徒歩圏内には、肱川に架かる橋や大洲城があり、歴史ある町並みが広がっています。アニメの聖地巡礼だけでなく、観光としても楽しめるスポットが満載の場所です。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Laurel04spl)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:愛媛県大洲市中村119
アクセス:JR四国 予讃線「伊予大洲駅」下車すぐ
営業時間:始発〜終電(年中無休)

JR下灘駅(愛媛県)

『すずめの戸締まり』の物語中盤、SNSの目撃情報を頼りにすずめたちが移動する中で、一瞬だけ登場するのがJR下灘駅です。この駅は、ホームのすぐ先に瀬戸内海を望む「日本一海に近い駅」として知られ、過去には青春18きっぷのポスターにも登場。映画の中では短いシーンながらも、そのロケーションはひときわ目を引きました。夕暮れ時の海と空が溶け合う絶景は、まさに映画のような世界。すずめの旅路を追体験する中で、ぜひ立ち寄りたいスポットのひとつです。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Captain76)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:愛媛県伊予市双海町大久保
アクセス:JR四国 予讃線「下灘駅」下車すぐ
営業時間:始発〜終電(年中無休)

【『すずめの戸締まり 』の聖地 関西編】観覧車と神戸の記憶(岡山・兵庫)

大鳴門橋(兵庫県・徳島県)

『すずめの戸締まり』で、すずめとルミさんが車で四国から神戸へ向かう道中に渡ったのが、大鳴門橋です。徳島県と淡路島を結ぶこの橋は、映画の本編では明示されませんが、物語の地理的移動を象徴する重要な場所です。橋の下には、世界三大潮流のひとつ「鳴門の渦潮」があり、海上遊歩道「渦の道」からその迫力を間近で体感できます。物語の転換点を感じながら、リアルな絶景を楽しんでみてはいかがでしょうか。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:NYyyYN)/ライセンス:CC BY-SA 4.0

住所:徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字福池65
アクセス:JR鳴門駅から徳島バス「鳴門公園」行きで約20分、終点下車徒歩5分
営業時間:9:00〜18:00(3月〜9月、最終入場17:30)/9:00〜17:00(10月〜2月、最終入場16:30)※GW・夏休み期間中は8:00〜19:00の延長営業日あり。休業日:6月・9月・12月・3月の第2月曜(夏休み期間は無休)

明石海峡大橋(兵庫県)

『すずめの戸締まり』で、すずめとルミさんが淡路島から神戸へと向かう途中にあるのが、世界最大級の吊り橋・明石海峡大橋です。作中では、ダイジンが橋を駆け上がってニュースになるシーンが印象的に描かれました。全長3,911mのスケールを誇り、実際に訪れるとその壮大さに圧倒されます。神戸側にある「舞子海上プロムナード」では、海上47mからの絶景を楽しめるほか、映画のシーンを追体験するような臨場感を味わえます。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:H.Oomori)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:兵庫県神戸市垂水区東舞子町2051
アクセス:JR山陽本線「舞子駅」から徒歩5分
営業時間:9:00〜18:00(最終入館は閉館30分前)※GW・夏休み期間は9:00〜19:00まで延長。休館日:4〜9月無休、10〜3月第2月曜(祝日の場合は翌日休)、12月29日〜31日

東山商店街・二宮商店街(兵庫県)

『すずめの戸締まり』でルミさんが営むスナックのある商店街のモデルが、神戸の東山商店街と二宮商店街です。地元の人々に愛される「神戸の台所」東山商店街の入り口、そして二宮商店街のレトロな路地が、作中の雰囲気を見事に再現しています。ルミさんのスナックのモデルとされる建物は現在空き家ですが、その面影を探しながら歩くことで、映画の記憶とリンクする体験ができます。

・東山商店街
住所:兵庫県神戸市兵庫区東山町2丁目3-20
アクセス:神戸市営地下鉄「湊川公園駅」から徒歩7分
営業時間:各店舗により異なる(通りは終日通行可)。定休日:各店舗ごとに異なる(不定休)

・二宮商店街
住所:兵庫県神戸市中央区琴ノ緒町4丁目6-12
アクセス:JR三ノ宮駅(東口)から徒歩5分
営業時間:各店舗により異なる。定休日:各店舗ごとに異なる(不定休)

鷲羽山ハイランド(岡山県)

『すずめの戸締まり』で、すずめが遊園地へ向かって駆け上がる坂道のシーンのモデルとされるのが、鷲羽山ハイランドへ続く道です。遠くに観覧車が見える構図が、映画の印象的なワンシーンとぴったり一致します。高台にあるこの遊園地は、実際には絶叫マシンやサンバショーが楽しめる賑やかなスポット。映画では廃墟として描かれましたが、現地では明るいレジャー空間として訪れることができます。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Yoshio Kohara)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:岡山県倉敷市下津井吹上303-1
アクセス:JR「児島駅」から下電バスで約13分(鷲羽山ハイランド停留所下車すぐ)
営業時間:10:00〜17:00(季節・曜日により変動、GW・夏休み期間はナイター営業あり)。定休日:なし(年中無休)

神戸おとぎの国(兵庫県)

『すずめの戸締まり』で廃墟となった遊園地「神戸ゆめの国」のモデルとされるのが、神戸フルーツ・フラワーパーク大沢内にある「神戸おとぎの国」です。観覧車やジェットコースターのデザインが映画に登場する遊具とよく似ており、ファンの間でも聖地として認知されています。入園は基本無料ですが、アトラクション利用は別途料金が必要です。新海誠監督は「大きな災害を乗り越えた神戸で、すずめが人の強さに触れる」ことに意味があると語っており、場所そのものが物語の象徴でもあります。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:studio IRONY)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:兵庫県神戸市北区大沢町上大沢2150
アクセス:JR三ノ宮駅から神姫バス(38系統)で約35分、「フルーツパーク」バス停下車すぐ
営業時間::【3月〜7月・9月〜11月】10:00〜17:00/【8月】平日10:00〜17:00・土日祝10:00〜18:00/【1月・12月】10:00〜16:00/【2月】土日祝のみ10:00〜16:00(平日休園)。休園日:火曜(祝日・1/1〜1/3・春休み・GW・夏休み期間は営業)

新神戸駅(兵庫県)

『すずめの戸締まり』で、神戸での出来事を終え、すずめがルミさんに別れを告げて旅立つのがJR新神戸駅です。2階にある新幹線改札やタクシー乗り場が、作中そのままの風景で描かれています。神戸の主要駅でありながら、中心街の三宮とは少し距離がある静かな立地。再開発も予定されているため、映画と同じ景色を楽しみたい方は早めの訪問をおすすめします。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:小田急4000系ファン)/ライセンス:CC0 1.0

住所:兵庫県神戸市中央区加納町1丁目3-1
アクセス:JR三ノ宮駅から神戸市営地下鉄で約2分(新神戸駅下車)
営業時間:始発〜終電(みどりの窓口6:00〜22:00)※年中無休

【『すずめの戸締まり 』の聖地 関東・東北編】クライマックスの地へ(東京・宮城・岩手)

御茶ノ水駅周辺(東京都)

『すずめの戸締まり』で、新神戸から新幹線で東京に向かったすずめが降り立つのが、御茶ノ水駅です。草太のアパートがあるこの界隈は、東京編の中心舞台となっており、多くの印象的なシーンが描かれました。駅のホームから見える「聖橋(ひじりばし)」は、キービジュアルにも使われた象徴的なロケーション。すずめが川に飛び降りるシーンや、ミミズとの戦いが繰り広げられるトンネルなども、このエリアに集中しています。また、環さん・芹澤との掛け合いや日常的なシーンも多数登場し、ファンにとっては歩くだけで作品の世界に浸れる聖地です。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Mamusi Taka)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:東京都千代田区神田駿河台2丁目6
アクセス:JR中央線・総武線「御茶ノ水駅」下車すぐ
営業時間:始発〜終電(年中無休)

道の駅 大谷海岸(宮城県)

『すずめの戸締まり』で、東京での“戸締まり”を終えたすずめたちが芹澤の車で東北に向かう途中、休憩のために立ち寄ったのが道の駅 大谷海岸です。この場所は東日本大震災で壊滅的な被害を受けた地域のひとつですが、2021年に新たな道の駅として再建されました。震災を経てよみがえったこの地は、作品のテーマである「喪失からの再生」を象徴するスポットでもあります。作中では、すずめと環さんのわだかまりが解ける重要なシーンの舞台となっており、訪れることでより深い感動が得られるはずです。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Mister0124)/ライセンス:CC BY-SA 4.0

住所:宮城県気仙沼市本吉町三島9番地
アクセス:JR気仙沼駅からBRT(気仙沼線)で約28分、「大谷海岸駅」下車すぐ
営業時間:9:00〜18:00(産直市場・物産コーナー)※施設により異なる;休業日:年末年始(12月31日〜1月2日)

織笠駅(岩手県)

『すずめの戸締まり』の終盤、すずめと草太が別れを迎える駅として登場するのが、三陸鉄道リアス線の織笠駅です。この駅もまた、東日本大震災で被災し、一度は駅舎ごと流失しましたが、2019年に約1km北側の高台に移転・再建されました。現在も周辺では復興工事が続いています。特徴的なホームと駅舎、車両の姿は作中でもリアルに描かれており、新海誠監督自身が「人の生活の力強さを感じた」と語った場所です。すずめの生まれ故郷であり、旅の終着点となったこの地で、物語のテーマである「喪失・再生・希望」が静かに浮かび上がります。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Yasu)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:岩手県下閉伊郡山田町織笠
アクセス:JR釜石駅から三陸鉄道リアス線(宮古方面)で約40分
営業時間:始発〜終電(終日利用可、無人駅)

『すずめの戸締まり』おすすめ聖地巡礼ルート

『すずめの戸締まり』の聖地巡礼は、新幹線が発着する新神戸駅からスタートします。ここは、神戸での出来事の締めくくりとして、ルミさんとすずめが別れの言葉を交わした場所であり、駅の改札やロータリーが作中そのままに描かれています。映画の感動を胸に、まずは神戸での旅を始めましょう。
新神戸駅から電車を乗り継いで明石海峡大橋へ。ここは、ダイジンがニュースで話題になるきっかけとなった橋のひとつとして登場します。すずめがその映像を見て神戸に向かう決意を固めた印象的なシーンです。橋の内部を歩ける「舞子海上プロムナード」では、海上47メートルの高さから明石海峡の絶景を楽しめます。

その後はバスで「神戸おとぎの国」へ。ここは廃墟となった遊園地「神戸ゆめの国」のモデルとされており、観覧車やジェットコースターの外観が作中と驚くほど似ています。入園は無料なので、気軽に立ち寄って写真撮影を楽しむのもおすすめです。

遊園地を満喫したら、神戸市街地へ戻り、東山商店街と二宮商店街を散策しましょう。ルミさんが営むスナックのある商店街のモデルとされ、東山商店街のアーケードや二宮商店街の細い路地には、作中の雰囲気が色濃く残っています。買い物客で賑わうこのエリアを歩けば、すずめとルミさんのやり取りが蘇ってくるはずです。

巡礼を終えたら、三宮駅や新神戸駅から帰路につきましょう。神戸の主要な聖地を効率よく巡れるこの日帰りコースは、『すずめの戸締まり』の世界観を存分に味わえる、充実した巡礼の旅になります。

『すずめの戸締まり』東京地下の舞台は皇居?

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Do you like coffee?)/ライセンス:CC BY-SA 4.0

「東京の後ろ戸って、どこだったの?」と気になった方も多いのではないでしょうか。作中で草太とすずめがミミズを追って走るのは御茶ノ水駅周辺。聖橋の下、東京メトロ丸ノ内線のトンネルから巨大なミミズが現れ、そこからクライマックスが始まります。

すずめがミミズに飛び込み、目を覚ましたのは黒い石に囲まれた地下空間。その場面では、スマホの画面に一瞬「牛ヶ淵」の文字が映り、背景に見える堀や建物からも、舞台は皇居北側の牛ヶ淵と推測されています。

また、すずめが「後ろ戸」を閉じる場面に登場する巨大な門は、皇居の北側にある乾門と形状が似ていることからも、後ろ戸が“皇居の地下”にあったという説が有力とされていました。

実は、劇中では明言されていないものの、原作小説には「ここって皇居の下?」というすずめのセリフがあります。加えて、新海誠監督もティーチインで「東京の地下の後ろ戸は皇居の地下にある。当時の閉じ師たちが、皇居に禍々しいものがあると知られるのことを避けるため、その存在を秘匿した」と語ったという報告もあります。

物語世界をより深く味わいたい方は、ぜひ皇居周辺を歩いてみてください。牛ヶ淵や乾門は誰でも訪れることができ、静けさのなかに映画の余韻が漂う“見えない聖地”です。

まとめ

『すずめの戸締まり』の聖地巡礼、いかがでしたでしょうか? 九州から四国、関西、東京、そして東北まで、物語の舞台を巡る旅は、すずめの足跡をたどるような感動に満ちています。実際にその場所に立つことで、映画の世界観やキャラクターの想いを、より深く体感できるはずです。今回ご紹介したスポットを起点に、あなただけの“戸締まりの旅”を楽しんでみてはいかがでしょうか。訪れる際は、地域の方々への配慮を忘れず、作品への敬意とともに、心に残る巡礼の時間をお過ごしください。