『SLAM DUNK(スラムダンク)』聖地巡礼スポット12選|神奈川・湘南や広島・沖縄・秋田の舞台を徹底解説

1990年代を代表する青春バスケットボール漫画『SLAM DUNK(スラムダンク)』。湘北高校バスケ部の仲間たちが織りなす熱い試合と人間ドラマは、世代を超えて愛され続けています。作中に登場した舞台の数々は、今もファンが訪れる“聖地”として人気を集めています。

この記事では、『SLAM DUNK(スラムダンク)』ゆかりの地から実際に行けるスポットを12選ご紹介。湘南の海沿いや試合のモデルとなった体育館、広島・沖縄・秋田にまで広がる舞台をエリア別に解説します。

名シーンを思い出しながら巡れば、作品の感動がよみがえるはず。桜木花道や流川楓が駆け抜けた世界を、あなたも現地で体感してみませんか?

『SLAM DUNK(スラムダンク)』とは?あらすじと見どころ

『SLAM DUNK』は、井上雄彦による青春バスケットボール漫画で、1990年から「週刊少年ジャンプ」で連載されました。単行本の累計発行部数は1億7000万部を超え、国内外で絶大な人気を誇るスポーツ作品です。

物語は、不良少年だった桜木花道がひょんなことから湘北高校バスケ部に入部し、仲間とともに成長していく姿を描きます。最初は初心者だった花道がライバル流川楓やキャプテン赤木剛憲らと切磋琢磨しながら、全国制覇を目指して奮闘する姿は、多くの読者を熱狂させました。

見どころは、迫力ある試合描写とキャラクターの人間ドラマ。特に山王工業戦をはじめとした名勝負は、今なおファンの間で語り継がれています。また、2022年公開の映画『THE FIRST SLAM DUNK』によって再び注目を集め、若い世代にもその魅力が広がっています。

バスケットボールを知らなくても楽しめる熱量あふれるストーリーと、青春のきらめきを感じられる人間模様――それこそが『SLAM DUNK』の最大の魅力です。

【『SLAM DUNK(スラムダンク)』の聖地 神奈川編】湘南に広がる物語の舞台

鎌倉高校前駅

『SLAM DUNK』の聖地のなかでも特に知られているのが、江ノ電・鎌倉高校前駅の踏切です。アニメのオープニングで桜木花道が電車を見送る場面に登場し、今も国内外から多くのファンが訪れる人気スポットとなっています。踏切の向こうに広がる湘南の海と、レトロな江ノ電の車両が重なる景色はまさに作品そのもの。ホームに立つと視界いっぱいに相模湾が広がり、天気が良ければ江の島のシルエットや富士山まで見渡せます。写真撮影の名所としても高い人気を誇り、聖地巡礼の定番といえるでしょう。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Quercus acuta)/ライセンス:CC BY-SA 4.0

住所:神奈川県鎌倉市腰越1丁目1-25
アクセス:江ノ島電鉄「鎌倉高校前駅」下車すぐ
営業時間:初電〜終電(無休)

鎌倉海浜公園 坂ノ下地区

鎌倉海浜公園 坂ノ下地区は、『SLAM DUNK』新装再編版第2巻の表紙に描かれた流川楓のロードバイクシーンのモデルになった場所です。海沿いの風景が広がり、まるで作中のワンシーンを切り取ったような光景を楽しめます。表紙に描かれた塀は実際には大人の胸ほどの高さがあり、よじ登るのは危険なので注意が必要です。無理をせず、公園内や周囲の道から景色を楽しむのがおすすめ。最寄り駅から少し歩きますが、湘南の潮風を感じながら足を運べば、作品の空気感をより鮮明に味わえるスポットです。

住所:神奈川県鎌倉市坂ノ下34-5
アクセス:江ノ島電鉄「長谷駅」から徒歩15分
営業時間:終日開放(無休)

秋葉台文化体育館

神奈川県藤沢市にある秋葉台文化体育館は、『SLAM DUNK』で湘北高校と王者・海南大附属高校が激闘を繰り広げた試合の舞台となった施設です。個性的な建築デザインから「カブトムシ」の愛称で呼ばれ、地元でも親しまれる大型スポーツ施設として知られています。この海南戦をきっかけに、桜木花道がリーゼントをやめ坊主頭に変えるシーンが描かれたのも印象的。作中の名場面を思い返しながら訪れれば、あの熱戦を観戦しているかのような臨場感を味わえるでしょう。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Waka77)/ライセンス:CC0 1.0

住所:神奈川県藤沢市遠藤2000-1
アクセス:小田急江ノ島線「湘南台駅」西口からバス10分(終点「文化体育館前」下車)
営業時間:8:30〜21:00(第3月曜休館、年末年始休業)

平塚総合体育館

神奈川県平塚市にある平塚総合体育館は、『SLAM DUNK』で湘北高校と陵南高校が神奈川県決勝リーグで激突した会場のモデルです。全国大会への切符をかけた試合が描かれ、花道が額から流血するシーンや、流川と仙道の真っ向勝負、木暮のスリーポイントなど、多くの名場面が生まれました。館内のエントランスには作者・井上雄彦氏の直筆サインや展示があり、無料で見学可能。実際に訪れれば、漫画やアニメで描かれた熱戦をより身近に体感できる、ファン必見の聖地です。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Nesnad)/ライセンス:CC BY-SA 4.0

住所:神奈川県平塚市大原1-1
アクセス:JR東海道線「平塚駅」北口よりバス10分(「総合公園」下車)
営業時間:9:00〜21:00(月曜休館〈祝日の場合翌平日〉、年末年始休館)

鵠沼海岸

『SLAM DUNK』のラストを飾った舞台のひとつが、湘南の鵠沼海岸(くげぬまかいがん)です。物語の終盤で花道が晴子の手紙を読み、ランニング中の流川と偶然出会う印象的なシーンが描かれました。海岸からは、ふたりが見つめた江の島を望むことができ、当時の雰囲気をそのまま味わえるスポットとして人気です。海沿いには遊歩道が整備されており、ジョギングや散策を楽しみながら聖地巡礼できるのも魅力。ファンにとっては、作品の余韻を感じながら物語を締めくくれる特別な場所といえるでしょう。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Quercus acuta)/ライセンス:CC BY-SA 4.0

住所:神奈川県藤沢市片瀬海岸3丁目
アクセス:小田急江ノ島線「鵠沼海岸駅」から徒歩10分
営業時間:終日開放(無休)

辻堂海岸

神奈川県藤沢市の辻堂海岸は、映画『THE FIRST SLAM DUNK』でリョータと母・カオルの関係が描かれたラストシーンの舞台とされています。流木に腰を下ろした母が手紙を読み、リョータと心を通わせる姿は、物語の余韻を強く残す場面となりました。実際の辻堂海岸は広々とした砂浜が続き、晴れた日には富士山や江の島まで望むことができます。観光客や地元の人々が散策やジョギングを楽しむ湘南らしいスポットで、映画を思い出しながら歩けば、シーンの感動を自分自身の体験として重ねられるでしょう。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:paraisotaka)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:神奈川県藤沢市辻堂西海岸
アクセス:JR東海道線「辻堂駅」南口からバス10分(「辻堂海浜公園入口」下車)
営業期間:終日開放(無休)

【『SLAM DUNK(スラムダンク)』の聖地 広島編】インターハイの舞台となった街

広島経済大学石田記念体育館

広島経済大学石田記念体育館は、『SLAM DUNK』で湘北が高校バスケ界の王者・山王工業と対決した「右田記念体育館」のモデルです。安西先生の「あきらめたらそこで試合終了ですよ」といった名言や、流川から桜木へ託されたラストパスと逆転シュートなど、数々の名場面が生まれた伝説の舞台でもあります。現在も大学の主要施設として使われており、高台に建つ建物は学外からも見ることができます。訪れる際は大学管理下の施設であるため、公開状況を確認してから足を運ぶと安心です。

住所:広島県広島市安佐南区祇園5丁目37-1
アクセス:JR可部線「下祇園駅」から徒歩25分
営業時間:一般見学不可(大学施設)

湯来温泉 みどり荘

広島市佐伯区にある湯来温泉の「みどり荘」は、『SLAM DUNK』で湘北高校バスケ部の宿舎「ちどり荘」として登場した旅館のモデルです。旅館前の橋で赤木、小暮、三井が語り合うシーンは印象的で、ファンにとって外せない聖地のひとつとなっています。2017年に廃業し、現在は館内に入ることはできませんが、外観は当時のまま残されており、物語の面影を感じることができます。周辺には日帰り入浴が可能な湯来ロッジや誠の桧湯などもあり、湘北メンバーが疲れを癒した温泉地の雰囲気を今も楽しむことができます。

住所:広島県広島市佐伯区湯来町多田2661
アクセス:JR山陽本線「五日市駅」からバス70分(「湯来温泉」下車)
営業時間:見学不可(廃業)

お好み村

広島市中心部にある「お好み村」は、『SLAM DUNK』で安西先生と豊玉高校の北野前監督が再会し、食事をしながら語り合う場面のモデルとされる場所です。インターハイ初戦を終えた安西先生が悩みを打ち明け、北野監督から励ましを受ける重要なシーンに登場しました。原作では「和ちゃん」という店名が描かれていますが、モデルは館内にある人気店「かずちゃん」だといわれています。数多くのお好み焼き店が並ぶこの名所は、作品ファンにとっても外せない聖地のひとつです。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Taisyo)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

・かずちゃん
住所:広島県広島市中区新天地5-13 新天地プラザ3F
アクセス:広島電鉄「八丁堀停留場」から徒歩4分
営業時間:11:00〜23:00(不定休)

【『SLAM DUNK(スラムダンク)』の聖地 沖縄編】映画で描かれたリョータの原点

桃原西公園

沖縄県北谷町にある桃原西公園(とうばるにしこうえん)は、映画『THE FIRST SLAM DUNK』で宮城リョータの幼少期を描いたシーンのモデルとされる場所です。幼いリョータが兄ソータとボールを追いかける姿は、彼の原点を象徴する場面として多くのファンの心に残りました。現在はバスケットゴールは撤去されていますが、かつてはコートが設置されており、当時の雰囲気を想像することができます。住宅街の中にありながら海にも近く、散策を楽しみながら作品の雰囲気を感じられる聖地です。

住所:沖縄県中頭郡北谷町字桃原2-1
アクセス:那覇空港から車で約60分
営業時間:終日開放(無休)

渡具知ビーチ

沖縄県読谷村にある渡具知ビーチ(とぐちビーチ)は、映画『THE FIRST SLAM DUNK』でリョータと兄ソータが秘密基地のように過ごした海岸のモデルといわれています。幼少期の思い出だけでなく、高校生になったリョータが砂浜でシャトルランをする場面も描かれ、彼の成長を象徴する舞台となりました。ビーチからは「キノコ岩」と呼ばれる奇岩を望むことができ、作品を思い起こさせる風景が広がります。洞窟は演出による部分もありますが、訪れればリョータの記憶を追体験できる特別な聖地です。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Pete Birkinshaw)/ライセンス:CC BY-SA 2.0

住所:沖縄県中頭郡読谷村渡具知228
アクセス:那覇空港から車で約50分
営業時間:終日開放(無休)

【『SLAM DUNK(スラムダンク)』の聖地 秋田編】山王工業モデルの地を訪れて

森子大物忌神社

秋田県由利本荘市にある森子大物忌神社は、映画『THE FIRST SLAM DUNK』で山王工業のエース・沢北栄治が参拝した神社のモデルといわれています。試合前に「俺に足りない経験をください」と祈るシーンが描かれ、ラストの展開にもつながる重要な場面となりました。境内には長い石段があり、沢北がトレーニングで駆け上がった姿を想像しながら訪れるファンも多いです。山あいに佇む荘厳な雰囲気の境内は、訪れるだけで特別な緊張感を覚えるでしょう。

住所:秋田県由利本荘市森子八乙女下99
アクセス:由利高原鉄道「黒沢駅」から徒歩25分
営業時間:終日開放(無休)

『SLAM DUNK(スラムダンク)』おすすめ聖地巡礼ルート

『SLAM DUNK』の聖地巡礼は、江ノ電の鎌倉高校前駅からスタート。アニメのオープニングで桜木花道が江ノ電を見送った踏切を訪れると、湘南の海と電車が交差する風景に胸が高鳴ります。続いて江ノ電で鎌倉高校前駅から長谷駅へ約10分、そこから徒歩10分ほどで鎌倉海浜公園坂ノ下地区に到着。流川が新装再編版2巻の表紙で自転車を走らせたシーンのモデルとなった塀を横目に、潮風を感じながら散策を楽しめます。

次は藤沢市の秋葉台文化体育館へ。長谷駅から江ノ電で藤沢駅まで約35分、そこから神奈中バスで「秋葉台文化体育館前」下車すぐ。王者・海南戦の舞台となった場所で、特徴的な外観は「カブトムシ」の愛称でも知られています。さらに平塚総合体育館へは、藤沢駅からJR東海道線で平塚駅まで約10分、そこから徒歩20分またはバスで10分ほど。陵南戦の舞台で、館内には井上雄彦先生の直筆サインや展示もあり、ファンなら必ず立ち寄りたいスポットです。昼食は平塚駅周辺で湘南グルメを楽しむのもおすすめです。

午後は再び藤沢方面に戻り、鵠沼海岸へ。平塚駅からJRで藤沢駅に戻り、小田急江ノ島線で鵠沼海岸駅まで5分、駅から徒歩10分で到着します。ここはインターハイ後に花道と流川が再会する舞台で、波打ち際から江の島を望む景色は作中の雰囲気そのままです。最後は辻堂海岸へ。鵠沼海岸から徒歩20分、または小田急で藤沢駅に戻りJRで辻堂駅へ3分、そこから徒歩25分またはバスで約10分。映画『THE FIRST SLAM DUNK』のラストでリョータと母・カオルが心を通わせた場所であり、夕暮れ時に訪れれば作品の余韻を深く味わいながら、1日の巡礼を締めくくることができます。

『SLAM DUNK(スラムダンク)』聖地での迷惑行為を防ぐ取り組み

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Dick Thomas Johnson)/ライセンス:CC BY-SA 2.0

『SLAM DUNK』の聖地は全国からファンが訪れる人気スポットですが、そのなかでも特に有名なのが江ノ電・鎌倉高校前駅の踏切です。アニメのオープニングで花道が江ノ電を見送るシーンに登場したことで一躍知られるようになり、近年では日本国内だけでなく、中国や台湾などアジアを中心に多くの外国人観光客が訪れるようになりました。

一方で、人気の高まりとともに「オーバーツーリズム」が課題となり、車道に出て撮影する人やごみの放置などの迷惑行為が問題視されています。周辺でもトラブルが報告されており、鎌倉高校への不法侵入や、近隣の病院での無断駐車や盗電といった行為も発生しています。

こうした状況を受けて、鎌倉市はホームページでの呼びかけやマナー周知の看板設置、混雑マップの公開、誘導員の配置など多角的な対策を実施。さらに2024年12月には新たに踏切付近へ防犯カメラを設置し、日本語に加えて英語・中国語・韓国語で「防犯カメラ作動中」と掲示するなど、多言語での注意喚起を行っています。市は地域住民と観光客の間でトラブルが起きないよう、今後も対策を強化していく方針です。

聖地を守り、ファンが安心して訪れ続けられるためには、自治体の取り組みとともに、訪れる一人ひとりのマナー意識も欠かせません。短時間での撮影や交通ルールの遵守を心がけ、地域と共存しながら聖地巡礼を楽しみましょう。

まとめ

『SLAM DUNK』の聖地巡礼は、作品の名シーンを追体験できるだけでなく、日本各地に点在する舞台を通じて、その土地ならではの魅力にも触れられる特別な旅です。実際に現地を歩けば、アニメや映画で心を動かされた瞬間が鮮やかによみがえり、作品世界と現実が重なり合う感覚を体験できるでしょう。青春の記憶とともに刻まれた名場面を胸に、『SLAM DUNK』の聖地を訪ねる巡礼の旅に出かけてみませんか。