『小市民シリーズ』聖地巡礼スポット18選|岐阜の舞台を徹底解説

『小市民シリーズ』は、青春のきらめきと日常に潜む謎を描いた人気ミステリー。平穏な「小市民」を目指す高校生コンビが、望まぬ形で事件や騒動に巻き込まれていく姿は、多くのファンの心を掴んできました。アニメ化によって実在の風景が精緻に再現され、物語の舞台を訪ね歩く“聖地巡礼”が注目を集めています。

本記事では、四季を彩る各エピソードに登場した舞台を丁寧に整理し、作品世界とのつながりを解説。さらに、初めての方でも効率よく楽しめる巡礼ルートもご紹介します。

アニメで目にした景色を実際にたどれば、まるでキャラクターたちと同じ時間を過ごしているような気分に。作品と現実が交差する特別な旅へ、ぜひ出かけてみませんか。

『小市民シリーズ』とは?あらすじと見どころ

『小市民シリーズ』は、米澤穂信による青春ミステリー小説を原作としたアニメ作品です。物語の中心となるのは、平穏で目立たない「小市民」としての高校生活を望む小鳩常悟朗と小佐内ゆき。二人は互いの秘密を共有し合い、“協力関係”を築くことで小市民を目指しますが、その意志とは裏腹に、日常の中で次々と不可思議な事件や騒動に巻き込まれていきます。

アニメ化では、シリーズの代表作である『春期限定いちごタルト事件』『夏期限定トロピカルパフェ事件』『秋期限定栗きんとん事件』『冬期限定ボンボンショコラ事件』の4編が描かれました。四季折々のエピソードを通して、日常に潜む謎解きのスリルと、青春ならではの繊細な心理描写が巧みに融合しています。

一見すると平凡な風景の中にじわじわと漂う不穏さ、そして若者らしい心の揺れや人間関係の機微が本作の大きな魅力です。さらにアニメでは岐阜市を中心とした実在の風景が細部まで再現されており、作品世界を追体験できる“聖地巡礼”の楽しみ方も広がっています。ミステリーファンはもちろん、青春ドラマとしても堪能できるシリーズです。

『小市民シリーズ』の聖地 第1期「春期限定いちごタルト事件」編

岐阜北高校

岐阜市にある岐阜北高校は、『小市民シリーズ』で小鳩常悟朗と小佐内ゆきが通う“船戸高校”のモデルとなった学校です。校舎や周辺の風景が作中に反映され、二人の「小市民」としての日常を支える舞台として描かれています。公式サイトにもアニメ制作に写真協力したことが掲載されており、作品とのつながりが明確に示されている点もファンには嬉しいところ。訪れれば、登場人物の生活をより身近に感じられるでしょう。ただし、関係者以外の立ち入りや無断での撮影は控えましょう。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Opqr)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:岐阜県岐阜市則武清水1841-11
アクセス:JR岐阜駅または名鉄岐阜駅から岐阜バス約20分「北高前」下車
営業時間:該当なし(一般立入不可)

忠節橋

長良川に架かる忠節橋は、『小市民シリーズ』第1話で小鳩と小佐内が自転車で移動するシーンをはじめ、物語の随所に登場するスポットです。通学路として繰り返し描かれるだけでなく、推理の場面などイメージシーンにも用いられ、二人の日常と非日常をつなぐ象徴的な舞台となっています。実際の橋もアニメで描かれた雰囲気とほぼそのままで、ファンにとって強い没入感を得られる場所です。訪れると、作品の映像と現実の風景が重なり合い、登場人物と同じ時間を過ごしているような感覚を味わえるでしょう。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Masabb)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:岐阜県岐阜市忠節町
アクセス:JR岐阜駅から岐阜バス(市内ループ線右回り)で約10分、「忠節橋」バス停下車すぐ
営業時間:終日開放(公共施設)

AND LADY

岐阜市の伊奈波神社近くにある洋菓子店「AND LADY」は、『小市民シリーズ』1話で小鳩と小佐内が訪れる喫茶店「Alice」のモデルとなった場所です。二人が“春期限定いちごタルト”を買うシーンに登場し、エンディング映像にも描かれるなど作品を象徴する舞台のひとつとなっています。創業40年以上の歴史を持つこの店は、地元で親しまれてきた老舗洋菓子店。アニメに登場したいちごタルトも実際に販売されており、ファンならぜひ味わいたい一品です。

住所:岐阜県岐阜市常盤町20
アクセス:名鉄名古屋本線「名鉄岐阜駅」から徒歩約24分
営業時間:10:00〜20:00(火曜定休)

セブンイレブン岐阜明徳町店

岐阜市内にあるセブンイレブン岐阜明徳町店は、『小市民シリーズ』第1話で小佐内の自転車が不良グループの下っ端に盗まれ、購入したいちごタルトが壊れてしまう場面に登場します。日常の一幕から物語の波乱が始まる象徴的な場所として描かれており、ファンにとって印象深いスポットです。実際の店舗も作品に忠実で、訪れれば世界観をより近くに感じられます。巡礼の際は営業中の店舗であるため、利用客への配慮を忘れずに。

住所:岐阜県岐阜市明徳町1-1
アクセス:名鉄名古屋本線「名鉄岐阜駅」から徒歩約18分
営業時間:24時間営業(年中無休)

柳ヶ瀬商店街

岐阜市中心部にある柳ヶ瀬商店街は、『小市民シリーズ』でたびたび描かれる舞台です。第2話の冒頭で小鳩と小佐内が偶然出会ったのは、商店街の一角にある「劇場通り」。第7話にも登場し、二人の関係性や物語の空気感を印象づけています。アニメではアーケードの商店や街灯が細かく再現され、レトロな雰囲気がそのまま描かれました。さらにエンディング映像で登場する5体の石像が並ぶ場所は、本通りの「フローレンス柳ケ瀬」の入口で、ファン必見のスポットです。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Asturio Cantabrio)/ライセンス:CC BY-SA 4.0

住所:岐阜県岐阜市柳ヶ瀬通2丁目3
アクセス:JR岐阜駅・名鉄岐阜駅から北へ徒歩約15分、または岐阜バスで約5分「柳ヶ瀬」下車すぐ
営業時間:各店舗により異なる(商店街は終日開放)

ロボット水門(忠節用水分水樋門)

忠節用水に設けられた「忠節用水分水樋門」は、その独特な形から通称「ロボット水門」と呼ばれています。ユーモラスな外観が印象的ですが、実際には地域の水を調整するために設けられた本物の水門です。『小市民シリーズ』では第2話で登場し、小鳩や小佐内、健吾の姉がココアをめぐる推理を交わすシーンの背景などに描かれています。実際に訪れると、アニメの背景と現実の風景が重なり、思わず写真を撮りたくなる聖地のひとつです。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Hide-sp)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:岐阜県岐阜市御手洗
アクセス:JR岐阜駅・名鉄岐阜駅から岐阜バスで約15分、「岐阜公園歴史博物館前」下車徒歩1分
営業時間:終日開放(公共施設)

Princess Branche Pâtisserie KURA

岐阜北高校の近くにある洋菓子店「Princess Branche Pâtisserie KURA(プリンセスブランシュ パティスリー クラ)」は、『小市民シリーズ』でケーキ店「ハンプティ・ダンプティ」のモデルとなったお店です。第3話や第5話に登場し、小鳩と小佐内が訪れる舞台として描かれました。店内は「プリンセスのお茶会」をテーマにした華やかなインテリアで、特にカウンター席に並ぶ大きな椅子はアニメでも印象的に再現されています。

住所:岐阜県岐阜市則武東2丁目18-28
アクセス:JR岐阜駅から岐阜バス(岐阜大学病院・御望野行き)で「則武」下車徒歩2分
営業時間:10:00〜18:00(月・火曜定休)

三田洞弘法(法華寺)

岐阜市北部にある三田洞弘法(法華寺)は、『小市民シリーズ』第3話で盗まれた小佐内の自転車が見つかる場面の舞台となった場所です。寺の近くの道路がモデルとされ、静かな風景の中で事件性を帯びたシーンが描かれることで、物語に独特の緊張感を与えています。岐阜駅からは最も離れた位置にある聖地で、徒歩では移動が難しい距離にあります。巡礼する際は自転車やバスの利用が現実的で、ややアクセスに手間がかかる分、訪れたときの臨場感は格別です。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Opqr)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:岐阜県岐阜市三田洞131
アクセス:JR岐阜駅(12番のりば)または名鉄岐阜駅(4番のりば)からN80系統「山県バスターミナル」行バスに乗車。「三田洞」下車後、徒歩15分
営業時間:終日開放(無休)

粕森公園

岐阜市にある粕森公園は、『小市民シリーズ』第4話で小鳩と堂島が推理するイメージシーンで描かれたスポットです。自然に囲まれた園内は作中そのままの雰囲気で、小鳩が登る螺旋階段や、階段の先にあるリング状の門は細かく再現されています。園内は自然に囲まれ広々としており、北側には琴平神社、南側には展望台があるのも特徴です。岐阜駅から徒歩でも行けますが距離があるため、自転車を利用すると効率的に巡礼できます。

住所:岐阜県岐阜市粕森町
アクセス:名鉄岐阜駅から徒歩約30分
営業時間:終日開放

『小市民シリーズ』の聖地 第1期「夏期限定トロピカルパフェ事件」編

伊奈波神社

岐阜市にある伊奈波神社は、『小市民シリーズ』第6話の夏祭りシーンで登場する「木良神社」のモデルとなった場所です。作中では小鳩と小佐内が偶然出会い、ブランコで綿菓子を食べる場面が描かれています。参道には赤い鳥居が連なり、夜には灯りがともって幻想的な雰囲気に包まれるのも特徴です。斎藤道三によって稲葉山(金華山)から現在の地へ移されたとされ、1900年以上の歴史を誇る由緒ある古社です。県内でも有数の参拝客を集め、商売繁盛や家内安全のご利益を求めて多くの人が訪れます。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:先従隗始)/ライセンス:CC0 1.0

住所:岐阜県岐阜市伊奈波通り1丁目1
アクセス:JR岐阜駅・名鉄岐阜駅から岐阜バス(N系統長良橋方面・市内ループ左回り)で「伊奈波通り」バス停下車、徒歩5分
営業時間:終日開放(無休)

岐阜駅

岐阜市の玄関口であるJR岐阜駅は、『小市民シリーズ』で「木良駅」として登場します。第7話では駅舎や駅前広場が描かれ、第14話では小鳩と中丸、第15話では瓜野と氷谷が待ち合わせをする場面に登場しました。さらに第2期エンディングでも駅前の風景が使用されるなど、シリーズを通じてたびたび描かれる象徴的な舞台です。北口の「信長ゆめ広場」には、黄金の織田信長公像が立ち、岐阜のランドマークとして存在感を放っています。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Saigen Jiro)/ライセンス:CC0 1.0

住所:岐阜県岐阜市橋本町1丁目10
アクセス:JR東海道本線・高山本線「岐阜駅」下車すぐ
営業時間:終日開放(無休)

岐阜公園

岐阜城の麓に広がる岐阜公園は、『小市民シリーズ』でたびたび描かれる舞台です。第1期エンディングでは女神像の噴水が実写映像として映り、小佐内がベンチに座るシーンと重ねられました。第7話ではロープウェイ乗り場へ向かう坂道、第15話では瓜野と氷谷の調査シーンに使われています。実際の公園は金華山と長良川に囲まれた自然豊かな場所で、歴史博物館や噴水、展望スポットなど見どころも多く、市民の憩いの場として親しまれています。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Hide-sp)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:岐阜県岐阜市大宮町1丁目地内
アクセス:JR岐阜駅・名鉄岐阜駅から岐阜バス(岐阜公園・長良橋方面 等)で「岐阜公園歴史博物館前」下車、徒歩1分
営業時間:終日開放(無休)

ナチュラルカフェ

金華山の近くにある「NATURAL CAFE」は、『小市民シリーズ』第8〜10話で小鳩と小佐内が訪れるカフェ「セシリア」のモデルとなったお店です。二人が夏期限定トロピカルパフェを味わう重要なシーンや、エンディング映像にも登場し、第1期のクライマックスを象徴する舞台として描かれました。実際の店舗は1895年築の蔵を改装したアジアンテイストのカフェで、「旅するカフェ」をコンセプトにアジアン&ハワイアン料理、自家製スイーツやパンケーキを提供しています。

住所:岐阜県岐阜市本町2丁目14
アクセス:JR岐阜駅から岐阜バス「本町1丁目」または「本町3丁目」バス停下車、徒歩3分
営業時間:11:00〜22:00(火曜定休)

中問屋町

岐阜駅近くにある中問屋町は、『小市民シリーズ』第9話・第10話で、小鳩と小佐内の会話シーンに心象風景として描かれた場所です。静かな商店街の佇まいが印象的に映し出され、二人の心情を重ねる舞台として使われました。実際の中問屋町は戦後から高度経済成長期にかけて繊維問屋街として栄え、最盛期には1600を超える業者が軒を連ねていたといわれます。現在は多くの店がシャッターを閉じ、往時のにぎわいは薄れていますが、建物や街並みにその名残を感じることができます。

住所:岐阜県岐阜市問屋町
アクセス:JR岐阜駅から徒歩約4分
営業時間:終日開放(無休)

『小市民シリーズ』の聖地 第2期「秋期限定栗きんとん事件」編

アクアージュ柳ヶ瀬

柳ヶ瀬商店街の一角にある「アクアージュ柳ヶ瀬」は、『小市民シリーズ』第11話で瓜野と氷谷が帰り道に消防車を見かけるシーンの背景として登場します。実際のアクアージュ柳ヶ瀬は、1996年に都市内水路を活かしたコミュニティ空間として整備されました。「アクア(水)」と「パサージュ(路地)」を合わせた名称の通り、水辺の音を楽しめる小路には噴水やアーチが設けられ、昼は買い物客でにぎわい、夜はライトアップによって幻想的な雰囲気が広がります。

住所:岐阜県岐阜市神田町4丁目16先~神室町2丁目6先
アクセス:JR岐阜駅・名鉄岐阜駅から岐阜バス(N系統長良橋方面・市内ループ左回り)で「柳ヶ瀬」下車、徒歩1分
営業時間:終日開放(無休)

ぎふメディアコスモス

岐阜市にある複合施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス」は、『小市民シリーズ』第13話で小鳩と堂島が会話する図書館のモデルとして描かれています。さらに第17話の小鳩による推理シーンにも登場します。2015年に開館した同施設は、市立中央図書館や展示ホール、市民活動交流センターなどを備えた複合施設です。館内の球体照明「グローブ」と東濃ひのきの木材が特徴で、日中は明るく開放的、夜はガラス越しに灯りが映え、訪れる人を魅了するスポットです。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Kanesue)/ライセンス:CC BY 2.0

住所:岐阜県岐阜市司町40丁目5
アクセス:JR岐阜駅・名鉄岐阜駅から岐阜バス(市内ループ線左回り)で「岐阜市役所・メディアコスモス」下車、徒歩1分
営業時間:9:00〜21:00(毎月最終火曜・12/31〜1/3休館)

cafe&gallery川原町屋

岐阜市の川原町にある「cafe&gallery川原町屋」は、『小市民シリーズ』でカフェ「桜庵」のモデルとなったお店です。第12話では小佐内と瓜野が訪れ、第17話では小佐内と小鳩が登場するシーンに描かれました。町家を改装した落ち着いた雰囲気のお店で、入口には和紙を使った雑貨が並び、奥の蔵がカフェスペースになっています。メニューは「ふわふわ玉子のオムライス」といった食事のほか、パフェや季節のぜんざいなど甘味も充実しています。

住所:岐阜県岐阜市玉井町28
アクセス:JR岐阜駅・名鉄岐阜駅から岐阜バス(N系統)で「長良橋南・川原町」バス停下車、徒歩3分
営業時間:平日11:00〜16:00・土日祝11:00〜17:30(木曜定休)

梅林公園

岐阜市にある梅林公園は、『小市民シリーズ』第16話・第17話に登場するスポットです。第16話では瓜野が小佐内を追いかけて問い詰める場面に描かれ、蒸気機関車「D51」やSL型の遊具が印象的に登場。ファンの間では「瓜野くん尊厳破壊公園」とも呼ばれています。第17話では、事件解決後に小鳩と小佐内が背中合わせで座るベンチが登場します。園内の篠ヶ谷神社近くに実在するもので、作品を象徴する印象的なカットのひとつです。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Hide-sp)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:岐阜県岐阜市梅林南町
アクセス:JR岐阜駅・名鉄岐阜駅から岐阜バス(B系統梅林公園行き)で「梅林公園前」下車、徒歩3分
営業時間:終日開放(無休)

『小市民シリーズ』おすすめ聖地巡礼ルート

『小市民シリーズ』の聖地巡礼は、まず岐阜駅からスタート。駅前の黄金の織田信長公像がそびえる「信長ゆめ広場」は、作中では「木良駅」として登場し、待ち合わせや会話の舞台となりました。駅を出てすぐの中問屋町は、戦後の面影を残す繊維問屋街で、第9〜10話に心象風景として描かれています。レトロなアーケードを歩けば、物語の空気感を肌で感じられるでしょう。

続いて向かうのは柳ヶ瀬商店街。第2話で小鳩と小佐内が偶然出会った場所であり、エンディング映像に登場する石像もここに並んでいます。近くのアクアージュ柳ヶ瀬は第11話に描かれた水辺の空間で、噴水やアーチが印象的。さらに北へ進めば忠節橋に到着。第1話をはじめ通学路や推理シーンで繰り返し描かれた象徴的なスポットで、長良川に架かる橋からの眺めも見どころです。橋の近くにあるロボット水門(忠節用水分水樋門)は、第2話の推理シーンで登場。ユーモラスな外観が作品同様に印象深く、写真映えも抜群です。

午前のハイライトを終えたら、岐阜城の麓に広がる岐阜公園へ。第1期エンディングや第7話、第15話など複数のエピソードに描かれた場所で、女神の噴水やロープウェイ乗り場の坂道は必見です。隣接する伊奈波神社は第6話夏祭りの舞台。1900年以上の歴史を持つ岐阜随一の古社で、商売繁盛や家内安全のご利益もあり、巡礼とあわせて参拝も楽しめます。昼食や休憩には、伊奈波神社近くの洋菓子店「AND LADY」でいちごタルトを味わうのもおすすめです。

午後は少し足を延ばし、まず粕森公園へ。第4話に登場する螺旋階段やリング状の門が特徴的で、自然に囲まれた落ち着いた雰囲気が広がります。次は梅林公園。第16〜17話で小佐内と瓜野、小鳩が印象的に描かれた場面の舞台で、SL型の遊具や篠ケ谷神社近くのベンチなど、ファンにとって必見のスポットです。

最後はぎふメディアコスモスへ。第13話で小鳩と堂島が会話する図書館、第17話の推理シーンのモデルとなった施設で、東濃ひのきを使った天井と球体照明「グローブ」が幻想的な空間を演出します。夕暮れ時にはガラスに映る光が美しく、1日の巡礼を締めくくるのにふさわしい雰囲気を楽しめるでしょう。

『小市民シリーズ』の聖地カフェ巡り!パフェ&スイーツを堪能しよう

『小市民シリーズ』には、キャラクターたちがスイーツを楽しむ場面が印象的に描かれています。作中で登場する洋菓子店やカフェには、実在するモデルがあり、実際に訪れることで作品の空気をリアルに感じられるのが大きな魅力です。ここでは、物語を彩った“スイーツの舞台”を改めて紹介します。

「AND LADY」は、長年地元で愛される老舗ケーキ店。ショーケースにはショートケーキやシュークリームといった定番が並び、素朴で親しみやすい味わいが特徴です。作品をきっかけに初めて訪れるファンも多いですが、普段使いのお店として地域に根付いている点も魅力です。

「Princess Branche Pâtisserie KURA」は、プリンセス気分を味わえる華やかな洋菓子店。エレガントなインテリアに囲まれながら、ケーキや紅茶を楽しめる非日常感がファンの心をつかみます。カウンター席の大きな椅子に腰掛ければ、作品世界を思い出しながら優雅な時間を過ごせるでしょう。

「NATURAL CAFE」は、1895年築の蔵をリノベーションした個性的なカフェ。アジアンテイストの落ち着いた店内で、ロコモコやカレーなどのフードメニューに加え、スイーツやドリンクも幅広く楽しめます。観光の合間に立ち寄って、旅気分を深めるのにもぴったりです。

「cafe&gallery川原町屋」は、町家を改装した和モダンなカフェ。店頭には和紙雑貨が並び、奥に進むと蔵を使った喫茶スペースが広がります。人気のオムライスや甘味のほか、2階のソファ席でゆったりくつろげるのも魅力。古い町並みと合わせて楽しめる、岐阜らしいカフェ体験が味わえます。

これらのカフェを巡れば、作品の名シーンを思い出すと同時に、岐阜ならではのスイーツ文化にも触れられるはず。聖地巡礼とともに味覚でも作品世界を楽しめるのが、この街ならではの魅力です。

まとめ

『小市民シリーズ』の聖地巡礼は、登場人物たちのささやかな日常や緊張感ある事件の舞台を、現実の景色と重ね合わせて楽しめる特別な体験です。実際に歩けば、アニメで目にした場面が次々と立ち上がり、キャラクターと同じ時間を過ごしているような感覚に浸れるでしょう。岐阜の街並みとともに、作品の魅力を体感する巡礼の旅に出かけてみませんか。