『君の名は。』聖地巡礼スポット12選|長野・岐阜・東京の舞台を徹底解説

新海誠監督の大ヒットアニメ映画『君の名は。』は、興行収入250億円を超える空前の大ヒットを記録し、公開当時、邦画歴代2位という快挙を成し遂げました。繊細で美しい風景描写と心揺さぶるストーリーは、日本中に感動を与え、今もなお多くのファンの心を掴み続けています。

この記事では、『君の名は。』の物語の舞台となった長野・岐阜・東京の聖地を厳選してご紹介。映画に登場したあの印象的な階段や、糸守湖のモデルとされる絶景スポットなど、ファンなら一度は訪れたい巡礼地を詳しく解説します。

作品の世界をリアルに感じられる、感動の聖地巡礼の旅へ——瀧と三葉の記憶をたどる冒険に、あなたも出かけてみませんか?

『君の名は。』とは?あらすじと見どころ

東京で暮らす男子高校生・瀧と、山あいの町で憂鬱な日々を送る女子高校生・三葉。まったく接点のない二人は、ある日突然、夢の中で互いの体が入れ替わるという不思議な現象に見舞われます。最初は戸惑いながらも、日常を共有するうちに心を通わせていく二人。

しかし、彗星の接近をきっかけに入れ替わりは突如として終わりを迎え、三葉の身に起きた異変を察した瀧は、彼女に会うため、そして真実を確かめるために動き出します。わずかな記憶と手がかりを頼りにたどり着いたのは、時空を超えた衝撃の事実——。

果たして二人は、運命の糸をたぐり寄せて再会することができるのか。

『君の名は。』は、記憶と想いをつなぐ、壮大で切ないラブストーリーです。

【『君の名は。 』の聖地 長野編】糸守の舞台を巡る ― 諏訪湖周辺の絶景スポット

諏訪湖と立石公園

長野県の諏訪湖は、『君の名は。』に登場する「糸守湖」のモデルのひとつとされています。劇中では、糸守の町を象徴する湖の風景が何度も描かれ、とくにクライマックスでは、瀧と三葉が“カタワレ時”に初めて直接出会う場面で湖を見下ろす描写が印象的です。また、三葉が祖母の一葉、妹の四葉とともに口噛み酒を奉納するため、湖を渡って山奥の御神体へ向かうシーンでも、湖は神秘的で重要な舞台として描かれています。湖畔の高台にある立石公園は、こうした場面とよく似た構図が楽しめることから、ファンの間で人気の聖地巡礼スポットとなっています。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Irvin)/ライセンス:CC BY-SA 4.0

住所:長野県諏訪市上諏訪10399
アクセス:JR中央本線「上諏訪駅」から徒歩約30分(タクシー約15分)
営業時間:24時間開放(市立公園/駐車場約20台)

松原湖と大月湖

長野県の小海町に位置する松原湖と大月湖は、『君の名は。』に登場する糸守湖のモデルのひとつとされています。新海誠監督はX(旧Twitter)で「糸守湖の最初期のイメージは、松原湖や大月湖でした」と述べています。松原湖は猪名湖・長湖・大月湖の総称で、なかでも大月湖は静かな湖面と手つかずの自然が特徴。観光地化されていないため、映画の幻想的な風景を重ねながら静かに巡礼を楽しめます。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Qurren)/ライセンス:CC BY-SA 3.0

住所:長野県南佐久郡小海町豊里松原
アクセス:JR小海線「小海駅」から小海町営バスで約15分(松原湖バス停下車)
営業時間:終日開放(散策自由)

【『君の名は。 』の聖地 岐阜編】糸守の記憶を辿る ― 飛騨の町並みと歴史

飛騨古川駅

岐阜県の飛騨古川駅は、『君の名は。』で瀧が三葉を探しに訪れたシーンに登場する実在の駅です。作中では、瀧が駅舎を見上げたり、ホームで電車を待つ場面が描かれ、印象に残っているファンも多いはず。駅構内には映画のポスターや交流ノートが設置され、まさに聖地巡礼の象徴的な場所です。周辺には日枝神社や図書館などの舞台も点在しており、巡礼の拠点としても最適。地元の歓迎ムードも温かく、訪れる価値の高いスポットです。

画像出典:聖地巡礼マップ

住所:岐阜県飛騨市古川町金森町8
アクセス:JR高山本線「高山駅」から電車で約15分
営業時間:始発〜終電(駅員対応時間9:00〜18:30)

気多若宮神社

岐阜県飛騨市の気多若宮神社は、『君の名は。』で三葉と四葉が巫女舞を奉納する「宮水神社」のモデルのひとつとされる場所です。境内は静かで神聖な雰囲気に包まれており、組紐を編む神事のシーンや、伝統を受け継ぐ宮水家の描写と重なります。社殿の造りや境内のたたずまいは作中と完全に一致するわけではないものの、作品の精神性を色濃く感じられる場所です。映画の印象的な場面を思い出しながら、静かに参拝すれば、より深い余韻を味わえるでしょう。

画像出典:聖地巡礼マップ

住所:岐阜県飛騨市古川町上気多1297
アクセス:JR高山本線「飛騨古川駅」から徒歩約15分
営業時間:終日開放(境内参拝自由)

飛騨山王宮 日枝神社

岐阜県高山市にある飛騨山王宮 日枝神社は、『君の名は。』に登場する宮水神社の参道や社叢のモデルのひとつとされる神社です。石段が続く参道や、深い森に囲まれた境内は、三葉たちが神事を行う場面を思い起こさせます。社殿の位置や自然の光景は作中と完全には一致しないものの、世界観を彷彿とさせる静謐な空気に包まれています。飛騨古川駅からはやや距離がありますが、聖地巡礼の一環として訪れる価値のあるスポットです。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:nnh)/ライセンス:パブリック・ドメイン

住所:岐阜県高山市城山156
アクセス:JR高山本線「高山駅」から徒歩約25分
営業時間:9:00〜16:00(参拝時間、社務所対応も同時間)

飛騨市図書館

岐阜県飛騨市の飛騨市図書館は、『君の名は。』で瀧と奥寺先輩が三葉の手がかりを探しに訪れる図書館のモデルです。劇中では、瀧が古い新聞の災害記事を調べる場面が描かれ、木の温もりある館内の雰囲気や閲覧室の配置が実際の施設とよく似ています。館内では写真撮影が制限されている場合もあるため、他の利用者の迷惑にならないよう静かに見学を。物語の核心に迫る印象的な場面を思い出せる、ファン必見のスポットです。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Asturio Cantabrio)/ライセンス:CC BY-SA 4.0

住所:岐阜県飛騨市古川町本町2-22
アクセス:JR高山本線「飛騨古川駅」から徒歩約5分
営業時間:火〜土・祝日 9:00〜20:00、日曜 9:00〜17:00(月曜休館)

飛騨市宮川町落合のバス停

岐阜県飛騨市・宮川町落合のバス停は、『君の名は。』で三葉がバスを待つシーンのモデルとされる場所です。山間の道沿いにぽつんと立つ小さなバス停は、作中で描かれた糸守の静かでどこか寂しげな田舎風景と重なります。朝の通学時間、三葉がバスを待ちながら空を見上げる印象的な場面がよみがえり、まるで映画の一場面に入り込んだかのような体験が味わえます。写真映えも抜群で、訪れたファンの多くが感動を覚えるスポットです。

画像出典:聖地巡礼マップ

住所:岐阜県飛騨市宮川町落合
アクセス:JR高山本線「角川駅」から徒歩約5分
営業時間:終日開放(廃止停留所、待合所のみ存置)

【『君の名は。 』の聖地 東京編】運命が交差する街 ― 新宿・四谷の聖地巡礼

新宿駅とバスタ新宿

東京都の新宿駅と直結するバスタ新宿は、『君の名は。』で瀧の東京での日常を象徴する場所として登場します。作中では、瀧と奥寺先輩が待ち合わせをするシーンや、通学・通勤の雑踏などが印象的に描かれ、新宿のスピード感ある都市風景が強く印象づけられます。世界屈指の利用者数を誇る巨大ターミナル・新宿駅と、高速バスターミナルのバスタ新宿は、地方と都市をつなぐ象徴的な存在。映画のワンシーンを思い浮かべながら歩いてみたくなるスポットです。

画像出典:Wikimedia Commons(撮影:Nesnad)/ライセンス:CC BY-SA 4.0

・新宿駅
住所:東京都新宿区新宿3丁目38-1
アクセス:JR各線・私鉄各線・地下鉄各線「新宿駅」直結
営業時間:始発〜終電(構内施設により異なる)

・バスタ新宿
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目24-55
アクセス:JR「新宿駅」新南改札から徒歩約2分(駅直結)
営業時間:3:30〜25:00(無休、インフォメーションカウンター7:00〜23:00)

新宿歌舞伎町交差点

東京都新宿区の新宿歌舞伎町交差点は、『君の名は。』で東京の喧騒や日常の風景を描写するシーンに登場します。ネオンが密集し、多くの人が行き交うこの場所は、「眠らない街」新宿の象徴として、作品の中でも瀧の東京での生活を彩る背景として描かれています。雑踏の中にいる瀧の姿からは、地方出身の三葉との対比も感じられ、舞台としての意味合いも印象的です。夜になると輝きを増すネオンの光景は、聖地巡礼の一環として訪れる価値があります。

住所:東京都新宿区歌舞伎町1丁目(交差点周辺)
アクセス:JR「新宿駅」東口から徒歩約5分
営業時間:終日(屋外・交差点)

新宿警察署の信号

東京都新宿区にある新宿警察署前の信号交差点は、『君の名は。』で瀧と奥寺先輩が並んで歩くシーンの背景として登場します。作中ではわずかなカットながら、都会の雑踏と日常の通勤風景がリアルに描かれ、瀧の東京での生活を象徴する一場面となっています。華やかさはない場所ですが、実際の街並みと映画の描写がぴたりと重なる瞬間に、作品の世界が現実に溶け込んでいるような感覚を味わえるでしょう。巡礼の途中に立ち寄りたい“日常の聖地”です。

画像出典:聖地巡礼マップ

住所:東京都新宿区西新宿6丁目1-1(新宿警察署前)
アクセス:東京メトロ丸ノ内線「西新宿駅」から徒歩約3分
営業時間:終日(公共道路)

国立新美術館

東京都港区の国立新美術館は、『君の名は。』で瀧と奥寺先輩がデート中に訪れる場所として登場します。作中では、館内のカフェで語らう場面や、開催されていた写真展で飛騨地方の風景写真を見たことをきっかけに、瀧が糸守の手がかりを得る重要なシーンが描かれました。波打つようなガラスの外観や、モダンな空間デザインは実際の建物とほぼ一致。美術と建築を同時に楽しめる、物語の転機を象徴する聖地です。

出典:Wikimedia Commons(撮影:Kakidai)/ライセンス:CC BY-SA 4.0

住所:東京都港区六本木7丁目22-2
アクセス:東京メトロ千代田線「乃木坂駅」から直結(6番出口)
営業時間:10:00〜18:00(金・土曜は〜20:00)※火曜休館(祝日の場合翌平日休館)

四谷 須賀神社

東京都新宿区の四谷 須賀神社は、『君の名は。』のクライマックスで瀧と三葉が劇的に再会を果たす場所として描かれた、作中でも特に印象的な舞台です。エンドロールでも登場する、階段越しに二人がすれ違いながら振り返るあのシーンのモデルが、神社裏手にある石段とされています。実際に訪れると、映画そのままの構図で街並みを望むことができ、作品への感動が鮮明によみがえります。聖地巡礼のハイライトとして、多くのファンに愛されるスポットです。

画像出典:聖地巡礼マップ

住所:東京都新宿区須賀町5-6
アクセス:東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目駅」から徒歩約8分
営業時間:6:00〜17:00(11月〜2月は6:30〜、無休)

『君の名は。』おすすめ聖地巡礼ルート

『君の名は。』の聖地巡礼は、岐阜県の飛騨古川駅からスタートします。駅に到着したら、まずは駅舎や駅前の風景をじっくり眺めてみましょう。劇中では、主人公・瀧が訪れた駅として登場し、ホームや改札のシーンが印象的に描かれています。構図を意識して写真を撮れば、映画のワンシーンを再現できます。

続いて、タクシーで5分ほどの場所にある「気多若宮神社」へ。ここは糸守町の神社のモデルのひとつとされており、劇中の神聖な空気感を彷彿とさせる静かな神社です。杉木立に囲まれた境内は、どこか懐かしく、時間がゆっくりと流れているかのよう。

次に向かうのは「飛騨山王宮 日枝神社」。気多若宮神社からタクシーで約10分ほど。石段や鳥居、境内の佇まいなど、映画の神社シーンとの共通点が多く、ファンには見逃せないスポットです。

神社から徒歩5分ほどの場所にある「飛騨市図書館」も巡礼ルートに欠かせません。劇中で瀧と奥寺先輩が糸守町の情報を調べた図書館のモデルとして知られています。図書館の外観はもちろん、館内の落ち着いた雰囲気も作品と重なります。

最後は、タクシーで15〜20分ほど移動し、「宮川町落合のバス停」へ。映画終盤、瀧と三葉がすれ違う印象的な場面の舞台となった場所です。周囲に建物はほとんどなく、静かな山間にポツンと佇むバス停は、まさに映画の世界そのもの。時間が許せば、ゆっくりと景色を眺めながら余韻に浸るのもおすすめです。

巡礼を終えたら、タクシーまたは路線バスで飛騨古川駅に戻り、帰路につきましょう。短時間ながらも作品世界に深く入り込める、濃密な1日が過ごせるはずです。

『君の名は。』の聖地は秋田にもある?

出典:Wikimedia Commons(撮影:UNICORN008)/ライセンス:CC BY-SA 4.0

「『君の名は。』の聖地は長野、岐阜、東京だけ?」と思う方もいるかもしれませんが、実はもう一か所、ファンの間で密かに注目を集めている場所があります。それが秋田県北秋田市にある、秋田内陸縦貫鉄道の前田南駅です。

この無人駅は、糸守駅のモデルと公式に明言されているわけではないものの、プラットホームの造りや線路のカーブ、山あいの風景が作中に登場する駅と酷似しているとSNSで話題になりました。ファンの熱意を受けて、秋田内陸線では記念入場券の販売や臨時列車の停車など、聖地巡礼を歓迎する動きも見られました。

また、駅の待合所には「前田南交流ノート」が設置されています。訪れたファンが作品への想いや旅の記録を自由に書き込めるようになっており、静かな駅に温かなつながりが生まれています。

前田南駅は、山間の集落にひっそりと佇む小さな無人駅です。周囲には商店も少なく、人影もまばらで、まるで時間がゆっくり流れているかのような場所です。映画の世界と重なる“日本の原風景”を体感したい方にとっては、まさにぴったりの隠れた聖地です。アクセスは、秋田内陸線の本数が少ないため、事前に時刻表を確認のうえ、ゆっくり訪れるのがおすすめです。

まとめ

『君の名は。』の聖地巡礼、いかがでしたでしょうか? 長野、岐阜、そして東京、それぞれの場所には映画の感動が息づいています。実際にその地に立つことで、瀧と三葉が感じたであろう喜びや切なさ、そして二人の運命をより深く体感できます。今回ご紹介した場所以外にも、あなたの心に残る風景がきっと見つかるはず。訪れる際はマナーを守り、作品への愛を胸に、ぜひ忘れられない聖地巡礼の旅を楽しんでください。