原作・末永裕樹氏、作画・馬上鷹将氏による本格落語漫画『あかね噺』のテレビアニメ化が発表された。テレビ朝日系全国24局ネットの“IMAnimation”枠で2026年に放送が予定されている。落語という日本の伝統芸能を題材に、声優陣が話芸の習得に挑む姿勢が注目を集めている。
『あかね噺』は、集英社「週刊少年ジャンプ」で連載中の人気作品。噺家の父の背中を追い、落語界最高位「真打」を目指す女子高生・桜咲朱音の成長と挑戦を描く。2022年の連載開始以来、異色のテーマながらも、緻密な人物描写と熱量のあるストーリー展開で高く評価されてきた。
アニメーション制作はゼクシズが担当し、監督には『サマータイムレンダ』などで知られる渡辺歩氏が就任。シリーズ構成に土屋理敬氏、音楽に井筒昭雄氏、そして落語監修として林家木久彦氏が参加するなど、実力派の制作陣がそろった。
声優に実際の落語演技が求められる点から、「アニメ化は難しい」とも言われてきた本作だが、今回の発表により期待が高まっている。SNSでは、落語シーンの再現度に関心が寄せられ、『昭和元禄落語心中』や『じょしらく』といった過去作と比較する声も上がっている。
主人公・朱音を演じるのは、声優の永瀬アンナさん。「魂を込めて演じさせていただきます」と意気込みを語り、すでに落語の稽古に取り組んでいるという。練磨家からし役の江口拓也さんも「落語を3席覚え、今まさに4席目を覚えているところです」と話しており、声優陣が高座の演技に本気で取り組んでいる様子が伝わってくる。
高良木ひかる役を務める高橋李依さんは、「演者の高みを目指す姿に共感し、負けていられない気持ちになりました」とコメント。「彼女の選択に寄り添い、全力で向き合いたい」と、役に対する思いを語っている。
今回公開されたティザーPVには、朱音の決意に満ちた表情や、父・志ん太が高座に上がる姿が描かれ、作品世界の一端が明らかになった。ジャンプ発の異色作『あかね噺』が、どこまで“噺”の魅力を伝えることができるのか、今後の続報に注目が集まっている。