中村悠一が明かす「アニメ台本処分のリアル」 声優が背負う流出リスクと自己責任の重圧

声優の中村悠一が先月、TOKYO FMの深夜番組『TOKYO SPEAKEASY』に出演し、アニメ台本の扱いについて語った内容が注目を集めている。番組にはよゐこの有野晋哉とともに出演し、舞台裏での“台本事情”が明かされた。

番組ではまず、有野が「バラエティ番組の台本は軽く扱うことが多い」と自身の経験を話し、アニメ収録の現場との違いに触れた。そこで浮き彫りになったのが、声優業界における台本の特別な扱いだ。キャラクターや物語の内容が書かれた台本は極めて重要であり、安易に置き去りにすることは許されないという。

中村によれば、アニメ台本は収録後も基本的に出演者が自分で持ち帰り、各自で処分しなければならない。作品の内容が外部に漏れれば大きな問題に発展するため、流出防止は徹底されている。事務所が代わりに処理してくれるわけではなく、声優本人に重い責任が課されるのが実情だという。

中村自身は、大量にたまる台本をシュレッダーで細断して処分していると明かしつつも、「業者に処分を依頼した際に流出が発生するケースもある」とリスクの高さを指摘した。スタジオにシュレッダーを設置してほしいという切実な願いも語られた。

さらに、中村は台本に一冊ごとに番号が割り振られていることも紹介。もしも台本が外に出回った場合、誰のものかがすぐに特定されてしまうという。出演者にとっては「自分の番号の台本が流出=責任を問われる」という緊張感が常につきまとう。

実際に、女優・有村架純の過去出演作の台本がオークションサイトに大量出品され、話題となったことがある。連続テレビ小説『あまちゃん』をはじめとする代表作の台本が数百冊単位で流出し、総額50万円以上で取引されたと報じられた。所属事務所は「業者に廃棄を依頼した際の不正流出」と説明しており、人気俳優ですら管理の難しさに直面していることを示す事例となった。

また、俳優の間でも処分ルールは分かれている。北川景子は撮影後すぐに台本をシュレッダーにかけることで知られ、仕事を切り替える儀式のように扱っているという。一方で高橋英樹は、約2000冊もの台本を自宅に保管し、キャリアの重みを記録として残しているとのこと。

ファンに届けられる作品の裏側では、関係者が情報管理に細心の注意を払い、日々見えない苦労をしていることが浮き彫りとなった。