前橋市は、アニメ『前橋ウィッチーズ』を活用し、市の魅力発信と地域活性化を目的とした多分野連携の取り組みを進めている。作品の世界観を大切にしながら前橋観光コンベンション協会とタッグを組み、市内事業者や公共交通、観光施設と一体となった施策を展開。ファンはもちろん、市民にとっても楽しい“作品と共に盛り上がるまちづくり”が着実に広がっている。
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『前橋ウィッチーズ』は、株式会社バンダイナムコフィルムワークス内のサンライズスタジオが制作し、2025年4月から6月に放送されたオリジナルテレビアニメーション。魔法の歌で人々の願いをかなえながら成長していく、5人の“歌う魔女見習い”の青春物語が描かれる。シリーズ構成は「ぼっち・ざ・ろっく!」やNHK連続テレビ小説「虎に翼」で知られる吉田恵里香氏が担当。

巡って、乗って、物語に入り込む体験設計
観光面では、聖地巡礼の楽しさを最大化する仕掛けを市内各所に展開。デジタルスタンプラリーをはじめ、市内5か所の道の駅や道の駅まえばし赤城観光案内所、メインキャラクターゆかりの上毛電気鉄道の駅に等身大パネルを設置した。さらに、前橋ウィッチーズデザインの上毛電気鉄道1日フリー切符の販売や「前橋ウィッチーズ舞台巡りBOOK」の制作・配布、臨江閣のキャラクターカラーによるライトアップなど、訪れたファンが“物語の中を歩く”感覚を味わえる演出を重ねている。


交通分野でも、移動そのものをエンタメ体験へと変換。市内バスや上毛電気鉄道ではラッピング車両、車内案内ボイス、内装演出を実施し、通勤・通学・観光といった日常の移動時間の中で自然に作品へ触れられる環境を整えた。作品との偶然の出会いが、新たな回遊のきっかけを生み出している。

“ここで消費したくなる”街ぐるみの仕掛け
商業面では、市内飲食店・小売事業者と連携した「前橋ウィッチーズは永遠不滅‼キャンペーン」を展開。コラボメニューの提供や購入特典ノベルティの配布により、ファンの来店動機を創出している。加えて、市内いちご農家や前橋産いちごを扱うカフェと連動した「いちご推しまえばし エモエモMAXキャンペーン」も実施。地域食材と作品を掛け合わせた“ここでしか味わえない”消費体験を打ち出した。
情報発信面の力の入れようも大きい。広報まえばし4月号の表紙起用や、3か月ごとの連載コラム「前橋ウィッチーズ通信」、職員名札の作品デザイン化など、市全体での機運醸成を推進。前橋市公式観光サイト「前橋まるごとガイド」での特設ページ展開や、前橋市シティプロモーション、前橋観光コンベンション協会公式Xでの情報発信も積極的に行っている。さらに、前橋駅構内「前橋百貨」や道の駅まえばし赤城観光案内所でのオリジナルボイス設置、駅ウェルカムボード、市役所1階ロビー展示、商店街垂れ幕、駅前フラッグなど、まちなか全体で作品の存在感を高めている。

物産分野では、前橋の水「アカギノメグミ天然水」の限定デザインボトルを展開したほか、ふるさと納税返礼品への登録、作品デザインのお礼状作成などを実施。作品を入口に前橋市の認知拡大と関係人口の創出を狙う。
行政・民間が一体となった広がり
庁内においても、職員向け広報誌「Maebashi Witches?」を発行し、来訪者対応や施策推進に生かすための理解促進を図っている点は、自治体主導施策として注目されるポイントだ。

こうした動きは民間にも波及している。三俣せんべい、赤城フーズ、あんこもん(ツムグ合同会社)による商品展開に加え、群馬銀行のアプリ連動キャンペーン、東京電力パワーグリッド群馬総支社の参加型社会貢献ゲーム「PicTrée」とのコラボ、日本郵便のオリジナルフレーム切手販売など、多方面で連携が拡大。さらに、JR前橋駅での一日駅長企画や臨時列車「GVぐんま桐生号」出発式、日本中央交通のラッピングタクシー、競輪大会「寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」でのステージイベント、ザスパ群馬ホーム戦でのコラボマッチなど、交通・スポーツ領域にも広がりを見せている。
前橋市は、バンダイナムコフィルムワークスが手がけた本作を長期的な観光コンテンツとして育てていく方針だ。アニメ視聴者の関心の高まりを背景に、市内外から聖地巡礼やイベント目的の来訪が増加しているといい、今後もファンには前橋の魅力を体感できる施策を、市民には地域の価値を再発見できる取り組みを継続していく考えだ。アニメとリアルが重なり合う前橋で、“ウィッチーズの魔法”はこれからも街を彩り続けそうだ。
前橋ウィッチーズ公式サイト:https://www.maebashi-witches.com/
前橋市公式HP:https://www.city.maebashi.gunma.jp/
