なぜ舞台を北海道・函館に?『永久のユウグレ』津田尚克監督が語る“この地を選んだ理由”

2025年秋アニメ『永久のユウグレ』の放送開始をきっかけに、舞台のモデル地として北海道・函館市が注目を集めている。本作は、P.A.WORKSが手がけるオリジナル本格ラブストーリー。AIが進化した未来を舞台に、主人公・姫神アキラが長年にわたるコールドスリープから目覚め、最愛の人にそっくりなアンドロイドと旅をする物語だ。

ABEMA TV「永久のユウグレ」

第1話の舞台、北海道・函館に聖地巡礼するファンも

第1話では、北海道・函館を思わせる情景が随所に描かれている。戦争によって荒廃した未来の街並みの中に、五稜郭の内部に築かれた集落が登場するほか、函館山展望台や函館赤十字病院を想起させる描写も確認できる。X(旧Twitter)では背景の一致を指摘する投稿が相次いでおり、「五稜郭がそのまま登場している」といった声が広がっている。放送直後からは、実際に現地を訪れて撮影するファンも現れ、早くも“聖地巡礼”の動きが生まれつつある。

なお、第0話では府中本町が描かれ、第1話では函館、その後のエピソードでは青森が登場している。

“聖地”函館を選んだ理由 「真面目な答え」と「舐めた答え」

物語の始まりを北海道・函館に設定した理由について、監督・シリーズ構成を務める津田尚克氏は、公式YouTubeのインタビューで「真面目な答え」と「舐めた答え」があると語っている。「舐めた答え」は「函館に行きたかったから」と冗談めかして明かしつつも、実際にはスケジュールの都合で現地を訪れることはできなかったという。

一方の「真面目な答え」は、「東京からできる限り離れた場所で、なおかつ国内にある場所を考えた結果、北海道にたどり着いた」というものだった。
さらに津田は、「旅ものは感動できる反面、制作のカロリーが高い」とし、舞台を変えるたびに美術設定を新たに起こす必要があることも語っている。当初はプロデューサーから「旅ものとSFはやめておきましょう」と止められていたものの、「やりたいものをやった結果、最適な答えがこれになった」と振り返った。

現実とフィクションが交わる“夕暮れの街”。『永久のユウグレ』が描く世界は、函館という実在の地で静かにその輪郭を広げている。

ABEMA TV「永久のユウグレ」:https://abema.tv/video/genre/animation