YouTube収益は能登復興へ。インフィニット、被災地応援アニメを公開――北陸ゆかりのキャストが参加

能登半島地震から2年、アニメで伝える被災地への継続的なまなざし

能登半島の復興を願う応援企画として、アニメ制作会社・株式会社インフィニットが手がけたショートアニメーションが、YouTubeにて全2編で公開された。本作は令和6年1月1日に発生した能登半島地震を受けて制作されたもので、YouTube上で得られた収益は全額、2026年6月と12月の2回に分けて能登半島の復興支援として寄付される予定となっている。

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制作を担うインフィニットは、石川県を舞台にしたアニメとして広く知られる花咲くいろはを世に送り出したスタジオだ。今回の企画について、企画・プロデュースを務めた永谷敬之は、「株式会社インフィニット設立1作目の『花咲くいろは』で描かせてもらった石川県の景色は、長い時間を経ても色褪せることはありません。しかし、その景色が地震によって大きく変わり、復興は現在も道半ばです」とコメントし、能登への特別な思いを語っている。

「輪島編」「七尾編」で描かれる、震災後の風景と人々の日常

公開された2作品は「輪島編」と「七尾編」。輪島編では、震災をきっかけに輪島市を離れ、七尾市で暮らすことになった高校生・和倉結希が、友人の鹿島紬に会うため、久しぶりにのと鉄道に乗ってふるさとへ帰る姿が描かれる。変わりゆく町の姿に戸惑いと切なさを覚えながらも、震災前と変わらず前を向いて生きる人々の姿に触れ、結希は複雑な感情を抱きつつも一歩を踏み出していく。

七尾編では、結希が暮らす七尾の祭りを舞台に、輪島から遊びに来た紬と再会する物語が紡がれる。小丸山城址公園から見渡す景色には、着実に復興へと進む街の姿があり、でか山を囲んで笑顔を見せる人々の姿が、震災後も続いていく日常と未来への希望を象徴するように描かれている。いずれの作品も、被災地を一面的に切り取るのではなく、「今、そこにある時間」を丁寧にすくい取る構成が印象的だ。

キャストと制作陣の顔ぶれから見える制作背景

キャストには、和倉結希役に上田麗奈、鹿島紬役に高野麻里佳、結希の母・和倉陽子役に能登麻美子と、実力派声優陣が集結。音楽はnano.RIPEが担当し、挿入歌「ペリドット」が物語に寄り添うように流れる。アニメーション制作はROLL2とEVOLROARが共同で手がけ、能登の風景や空気感を丁寧に映像へと落とし込んでいる。

上田麗奈は富山県出身、能登麻美子は石川県出身と、いずれも北陸地方にゆかりを持つキャストが名を連ねており、能登を舞台とした物語に、土地との距離の近い声が重ねられている点も本作の特徴のひとつと言える。永谷は今回の取り組みについて、「アニメーションで能登半島の皆様から受けたこれまでの恩に少しでもお返しが出来ないかと考え、『能登半島復興応援企画』として2編のアニメを制作いたしました」とも述べており、制作過程では地元の声にも耳を傾けながら、復興への協力を続けていく姿勢を示している。

震災から時間が経った今も、復興は決して終わったわけではない。本作は、失われたものだけでなく、今もそこにある日常や人の営みを静かに描き出すことで、視聴者に能登の「現在」を伝えている。アニメという表現を通じて能登への関心をつなぎ、視聴という行為そのものが支援につながる本企画は、被災地の「今」を伝え続ける、新たな復興支援のかたちとして注目される。

インフィニット:https://infinitedayo.jp/