トムス・エンタテインメントは、TVアニメ『巨人の星』第92話「折り合わぬ契約」を、12月24日(火)22時より公式YouTubeチャンネルにて無料配信すると発表した。配信はプレミア形式で行われ、本編終了後には約10分間、視聴者が感想を書き込める「語れるチャット」も実施される。
【あわせて読みたい】庵野秀明、旧経営陣の不誠実対応に「昔のような関係には戻れない」 ガイナックス破産整理終了を受け声明
原作にない“異色の一話”として描かれたクリスマス
第92話「折り合わぬ契約」は、原作には存在しないアニメオリジナルエピソード。契約更改をめぐるシリアスな物語が展開された後半で、星飛雄馬がクリスマスパーティーを企画する様子が描かれる。
ライバルたちから「野球ロボット」と揶揄されてきた飛雄馬は、人間らしさを取り戻そうと仲間や姉を招くものの、当日になって全員が不参加に。豪華に飾り付けられた会場に、ただ一人取り残される展開は、あまりにも救いがなく、ファンの間で“伝説のクリぼっち回”として語られてきた。
親友・伴宙太が感情を爆発させて叫ぶ「何がクリスマスじゃあい!」という台詞や、飛雄馬の内面を強調する過剰な演出も、この回を強く印象づけている。
2012年ニコニコ生放送が生んだ“共有体験”
このエピソードが広く知られるようになったきっかけの一つが、2012年のクリスマスイブに行われたニコニコ生放送での配信だ。当時、第92話はクリスマス企画として放送されたが、配信開始直後にトラブルが発生し、映像が一時中断。その間、コメント欄には視聴者から「離れるな、星の気持ちがわかる」「ここに一万人の星がいる」といった書き込みが殺到し、飛雄馬の孤独な状況と視聴者自身の心情を重ね合わせる空気が生まれた。
結果として、誰も来ないクリスマスパーティーを描いた回を、数万人が同時に見守るという皮肉な構図が成立し、この体験が強く記憶に残る出来事となった。この放送をきっかけに、本エピソードは「伝説のクリスマス回」として認知され、以降ニコニコ動画やSNSで繰り返し引用されるようになる。昭和的な過剰演出と、現代でも共感されやすい“クリぼっち”という状況が重なり、笑いと哀愁を併せ持つミームとして定着していった。
スポ根アニメの金字塔『巨人の星』の中でも、異質でありながら強烈な記憶を残してきた一話。クリスマスイブ、その“伝説”を改めて見届ける機会となりそうだ。
トムス・エンターテインメント:https://www.tms-e.co.jp/
