1980年代に一大ブームを巻き起こした伝説のギャグ漫画『ハイスクール!奇面組』が、ついに令和の時代に帰ってくる。全国フジテレビ系“ノイタミナ”枠にて、2026年1月より新作テレビアニメとして放送されることが発表された。

原作は新沢基栄による『3年奇面組』。1980年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載がスタートし、キャラクターたちの進級に合わせて『ハイスクール!奇面組』へと改題された。当時としては珍しい“学年の進行”を取り入れた展開や、ハイテンポなギャグの応酬で人気を集め、1985年からはTVアニメ化もされるなど社会現象となった。
監督を務めるのは、映画『かくかくしかじか』『ベートーヴェン捏造』で知られ、Perfumeや星野源、藤井風、VaundyといったアーティストのMVも多数手掛ける関和亮氏。アニメーション監督として初挑戦となる本作で、令和の時代感に合わせた“新しい奇面組”像を描いていくという。
キャストには、奇面組の一堂零役を関智一、冷越豪役を武内駿輔、出瀬潔役を松岡禎丞、大間仁役を小林千晃、物星大役を戸谷菊之介が担当。さらに河川唯役に白石晴香、宇留千絵役に長谷川育美が名を連ねるなど、豪華な布陣が揃った。
また、TVアニメ化を記念して、イメージMVの公開もスタートしている。楽曲には旧アニメ版の主題歌「うしろゆびさされ組」が採用され、河川唯と宇留千絵がカバーを担当。編曲には、シティポップ再評価の火付け役として国内外で注目を集めるNight Tempoを迎え、往年の名曲を令和の空気感に合わせてモダンにアップデートしている。懐かしさと新しさが融合した仕上がりは、作品の再始動を象徴する映像作品といえそうだ。
発表直後、SNSでは「今やるなんて、コンプライアンス的に大丈夫?」といった反応が寄せられた一方で、「令和だからこそ意味がある」と期待する声も多く見られた。
奇面組は、“普通に馴染めない”登場人物たちが、自分の個性を受け入れ、誇りに変えていく物語だ。転校生・一堂零との出会いを通じて、彼らは“普通じゃない”ことを否定せず、むしろ笑いに変えて生きるようになる。こうした姿勢が、多様性や自己肯定が重視される現代の価値観と重なって見えるという意見が少なくない。
1980年代の空気感を残しながら、令和の社会に響く新たなメッセージをどう描くのか。40年の時を経て再び動き出す奇面組が、現代の視聴者にどんな笑いと共感をもたらすのか、放送開始への期待が高まっている。
TVアニメ『ハイスクール!奇面組』公式サイト:https://kimengumi.com/
