ユーザー参加型の漫画賞「次にくるマンガ大賞 2025」の結果が9月18日に発表された。これまで『ブルーロック』『葬送のフリーレン』『怪獣8号』など、のちにアニメ化され社会現象となった作品を送り出してきた注目の賞だ。第11回の今年、栄冠を手にしたのは――コミックス部門『魔男のイチ』、Webマンガ部門『サンキューピッチ』。エントリー総数9,432作品、投票総数約60万票の頂点に輝いた、まさに“次にくる”才能がここに誕生した。
コミックス部門1位 『魔男のイチ』
『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載中の『魔男のイチ』は、山暮らしの少年・イチが“魔法”を狩る存在として成長していく魔法ハンティングファンタジー。原作は『魔入りました!入間くん』の西修、作画は宇佐崎しろが担当しており、異色のタッグとしても注目を集めている。

【コミックス部門 TOP5】
1位 『魔男のイチ』(西修:原作、宇佐崎しろ:作画/集英社)
2位 『COSMOS』(田村隆平/小学館)
3位 『超巡!超条先輩』(沼駿/集英社)
4位 『写らナイんです』(コノシマルカ/小学館)
5位 『平成敗残兵すみれちゃん』(里見U/講談社)
Webマンガ部門1位 『サンキューピッチ』
『少年ジャンプ+』で連載中の『サンキューピッチ』は、『ハイパーインフレーション』の住吉九が描く野球漫画。1日3球しか全力投球できない元天才投手と、公立高校の仲間たちが甲子園を目指す姿を描く。

【Webマンガ部門 TOP5】
1位 『サンキューピッチ』(住吉九/集英社)
2位 『ケントゥリア』(暗森透/集英社)
3位 『お求めいただいた暴君陛下の悪女です』(天壱 原作/SORAJIMA)
4位 『シバつき物件』(大森えす/集英社)
5位 『全部救ってやる』(常喜寝太郎/小学館)
完結済みの『超巡!超条先輩』が注目
今回のランキングの中でも特に注目を集めたのが、コミックス部門3位にランクインした『超巡!超条先輩』だ。本作は、人知を超えた力で捜査を行う超能力巡査長・超条巡と、相棒である柔道娘・一本木直ーが、欲望渦巻く街の平和を守る姿を描いた超能力ポリスコメディー。『週刊少年ジャンプ』で連載されていたが、2025年28号で完結を迎えている。
受賞を受けて公式Xアカウントが投稿した感謝コメントは、9月19日現在で1万2000件の「いいね」を獲得。SNS上では「続編を望む」「まだまだ読みたい」といった声が相次いでおり、作品の根強い人気を裏付ける結果となった。
今年の「次にくるマンガ大賞」では、王道のファンタジーやスポーツ作品に加え、個性あふれるユニークな作品もランクインした。次世代のヒット作がここからどのように広がっていくのか――来年以降の動向にも大きな期待が寄せられている。
