テレビアニメ『ダンダダン』の製作委員会は22日、公式Xで、挿入歌「Hunting Soul」をめぐる一連の騒動について、事前説明が不十分だったとしてYOSHIKI(X JAPAN)に謝罪する声明を公表した。声明では、権利関係は関係各所と建設的に協議中で、YOSHIKI側とは既に連絡を取り合っており、今回を機に「未来に向けた創造的な取り組み」を検討していることも明らかにした。
問題となったのは、第18話に登場する架空バンド「HAYASii」が披露した劇中歌「Hunting Soul」。楽曲や演出がX JAPANを想起させるとの指摘がSNSで広がり、YOSHIKIもX上で言及。8月18日には一連の投稿を削除し、「今回の件、全て関係者に任せます」として対応を当事者間に委ねる姿勢を示していた。
製作委員会は、同曲について「製作チーム一同が尊敬してやまないYOSHIKI様とX JAPAN様のような熱量をアニメの中で表現すべく、また、音楽演出において、『ダンダダン』のアニメにおけるストーリーやシーンにマッチし、かつ作品としてクオリティをさらに上げるようにとの想いで制作いたしました」と説明。一方で、「YOSHIKI様及びX JAPAN様に対して、事前のご説明に思いが至らなかったことで、ご心配をおかけしてしまったことは本意ではなく、心からお詫び申し上げます」と謝罪した。今後は権利面の整理を進めつつ、YOSHIKI側と協議し前向きな取り組みを模索するとしている。
この対応に対し、SNS上では「パロディやオマージュに許可が必須と受け取られかねない“悪しき前例”にならないか」と懸念する声が上がっている。
今回の謝罪は、敬意を込めたはずのパロディが予期せぬ形で受け取られた結果と言える。先行作品への愛あるオマージュが、萎縮する事態を招かないか、今後の動向が注視される。
