
広島県は、瀬戸内海に面した穏やかな景観と、世界的に知られる歴史的遺産が共存する地です。港町のにぎわいや古い町並み、戦争を記憶する街の姿は、多くのアニメ作品の舞台となり、物語に独自の深みを与えてきました。呉や竹原、尾道など地域ごとに異なる景観が広がり、作品によってさまざまな世界観を体感できるのも魅力です。
この記事では、広島県に点在するアニメ聖地を作品別に紹介します。心温まる日常を描いた舞台から、歴史を背負う重厚な物語まで幅広く網羅。初めて巡礼に訪れる方も、作品をより深く味わいたいファンの方も、広島ならではの舞台を歩きながら、現実とフィクションが交わる特別な時間を楽しんでみてください。
広島県がアニメの聖地巡礼に選ばれる理由とは?その魅力に迫る
広島県は、多彩なアニメ作品の舞台として描かれてきました。その背景には、ほかの地域にはない独自の魅力があります。まず一つ目は、歴史と記憶を映す街であることです。広島市には世界的に知られる戦争遺産が残されており、重みのある物語を表現する舞台として深いリアリティを与えています。
二つ目は、情緒ある町並みや港町の風景です。呉や竹原、尾道には、昔ながらの商店街や坂道が広がり、どこか懐かしい生活感を伝える日常描写と相性が良いのが特徴です。
三つ目は、多彩なロケーションを短い移動で巡れることです。瀬戸内海の海岸線や古い町並み、山間の温泉や歴史的建造物など、豊かな景観がコンパクトに凝縮されています。歴史性と情緒、そして景観の多様さが組み合わさることで、広島県はアニメの聖地として特別な存在感を放ち、巡礼地として多くのファンを惹きつけています。
広島県のアニメ聖地巡礼スポット3選!人気作品の舞台を徹底解説
広島経済大学石田記念体育館(SLAM DUNK)
広島経済大学石田記念体育館は、『SLAM DUNK』で湘北が高校バスケ界の王者・山王工業と対決した「右田記念体育館」のモデルです。安西先生の「あきらめたらそこで試合終了ですよ」といった名言や、流川から桜木へ託されたラストパスと逆転シュートなど、数々の名場面が生まれた伝説の舞台でもあります。現在も大学の主要施設として使われており、高台に建つ建物は学外からも見ることができます。訪れる際は大学管理下の施設であるため、公開状況を確認してから足を運ぶと安心です。
住所:広島県広島市安佐南区祇園5丁目37-1
アクセス:JR可部線「下祇園駅」から徒歩25分
営業時間:一般見学不可(大学施設)
湯来温泉 みどり荘(SLAM DUNK)
広島市佐伯区にある湯来温泉の「みどり荘」は、『SLAM DUNK』で湘北高校バスケ部の宿舎「ちどり荘」として登場した旅館のモデルです。旅館前の橋で赤木、小暮、三井が語り合うシーンは印象的で、ファンにとって外せない聖地のひとつとなっています。2017年に廃業し、現在は館内に入ることはできませんが、外観は当時のまま残されており、物語の面影を感じることができます。周辺には日帰り入浴が可能な湯来ロッジや誠の桧湯などもあり、湘北メンバーが疲れを癒した温泉地の雰囲気を今も楽しむことができます。
住所:広島県広島市佐伯区湯来町多田2661
アクセス:JR山陽本線「五日市駅」からバス70分(「湯来温泉」下車)
営業時間:見学不可(廃業)
お好み村(SLAM DUNK)
広島市中心部にある「お好み村」は、『SLAM DUNK』で安西先生と豊玉高校の北野前監督が再会し、食事をしながら語り合う場面のモデルとされる場所です。インターハイ初戦を終えた安西先生が悩みを打ち明け、北野監督から励ましを受ける重要なシーンに登場しました。原作では「和ちゃん」という店名が描かれていますが、モデルは館内にある人気店「かずちゃん」だといわれています。数多くのお好み焼き店が並ぶこの名所は、作品ファンにとっても外せない聖地のひとつです。

・かずちゃん
住所:広島県広島市中区新天地5-13 新天地プラザ3F
アクセス:広島電鉄「八丁堀停留場」から徒歩4分
営業時間:11:00〜23:00(不定休)
まとめ
広島県は、歴史ある街並みと穏やかな瀬戸内海の風景が、数多くのアニメ作品を彩ってきました。実際に舞台となった地を歩けば、物語の背景に込められた空気や時間の流れを肌で感じられ、スクリーン越しでは味わえない特別な臨場感に出会えるはずです。観光地としても人気の広島ですが、聖地巡礼という視点で巡ることで、これまでとは違った表情や地域の奥深い魅力を発見できるでしょう。作品と現実が重なり合う瞬間を楽しみに、広島で自分だけの巡礼の旅を体験してみてください。
