
大分県は、雄大な山々と湯けむり漂う温泉地で知られる豊かな自然の宝庫。由布岳や別府温泉の風景は、多くのアニメ作品に幻想的な彩りを添え、聖地巡礼の地としてファンから注目を集めています。森や神社の静けさ、鉄道遺産の趣ある佇まいなど、訪れるたびに作品世界と現実が重なり合う特別な体験ができるのも魅力です。
この記事では、大分県内に点在するアニメの舞台を厳選してご紹介します。自然に包まれたロケーションから、街歩きや観光と合わせて楽しめるスポットまで幅広く網羅。初めて聖地巡礼をする方も、何度も足を運んでいるファンの方も、大分ならではの魅力と作品の余韻を存分に感じられる巡礼の旅に出かけてみませんか。
大分県がアニメの聖地巡礼に選ばれる理由とは?その魅力に迫る
大分県がアニメの舞台として選ばれるのには、いくつかの理由があります。まず第一に、由布岳や九重連山、由布院の森に代表される豊かな自然と幻想的な景観です。四季折々の変化が美しく、物語の雰囲気を高める舞台として描かれやすいのが特徴です。
次に、歴史や文化を感じさせるスポットの存在も見逃せません。古くから信仰を集める神社や、鉄道遺産である豊後森機関庫などは、作品に重厚感やリアリティを与える象徴的な舞台となっています。
さらに、大分県といえば温泉地。別府や由布院の湯けむりや温泉街の佇まいは、キャラクターの心情を映し出す場面にふさわしく、聖地巡礼と観光を一度に楽しめる特別な魅力を持っています。
こうした自然・歴史・温泉が三位一体となることで、大分県はアニメ作品に選ばれやすく、ファンにとって訪れる価値のある巡礼地となっているのです。
大分県のアニメ聖地巡礼スポット4選!人気作品の舞台を徹底解説
杖立温泉(すずめの戸締まり)
『すずめの戸締まり』に登場する廃墟の温泉街「門波リゾート」のモデルとしてもう一つ挙げられるのが、杖立温泉です。熊本県阿蘇郡と大分県日田市の境にあるこの温泉地は、1800年以上の歴史を持ち、「九州の奥座敷」として親しまれてきました。現在は廃業した旅館も多く、ノスタルジックな空気が作中の廃墟の雰囲気と重なります。弘法大師が名付けたとされる由来や、春の鯉のぼりイベントなど、歴史的・文化的な見どころも豊富です。

住所:熊本県阿蘇郡小国町下城
アクセス:JR久大本線「日田駅」からバスで約40分(杖立温泉バス停下車すぐ)
営業時間:施設により異なる(年中無休)
湯平温泉(すずめの戸締まり)
湯平温泉は、『すずめの戸締まり』で描かれる廃墟の温泉街「門波リゾート」のモデルのひとつとして、特に有力視されている温泉地です。800年近い歴史を持ち、江戸後期に整備された石畳の坂道と、花合野川沿いの風景は、映画と驚くほど一致します。特に夜、赤提灯に照らされた石畳を歩くシーンは、映画の美しい記憶を追体験できるはず。浴衣で湯巡りを楽しめば、まさにすずめの世界に入り込んだ気分が味わえます。

住所:大分県由布市湯布院町湯平
アクセス:JR久大本線「湯平駅」から車で約10分
営業時間:施設により異なる(年中無休)
旧豊後森機関庫(すずめの戸締まり)
『すずめの戸締まり』で、すずめが「後ろ戸」を開けてしまった場所のモデルとされているのが、旧豊後森機関庫です。作中のキービジュアルにも使われた、印象的な円形(扇形)構造の建物がそのまま再現されています。1970年にその役目を終えましたが、現在は国の登録有形文化財に指定され、観光スポットとして整備されています。現地には、映画に登場する「扉」を再現したモニュメントもあり、ファン必見の聖地です。

住所:大分県玖珠郡玖珠町岩室36-15
アクセス:JR久大本線「豊後森駅」から徒歩約5分
営業時間:10:00〜16:00(年末年始休館)
佐賀関港(すずめの戸締まり)
『すずめの戸締まり』で、すずめと草太(椅子の姿)が四国へ渡るフェリーの乗船シーンのモデルとされるのが、大分県の佐賀関港です。ここから運航している「国道九四フェリー」は、愛媛県三崎港へと向かい、九州と四国を結ぶ最短ルートとして知られています。映画の描写とも多くの点で一致しており、旅路を追体験できるスポットです。なお、フェリーの外観は「オレンジフェリー」に近いとも言われ、複数の航路が参考にされている可能性もあります。目的地に応じて発着港を選ぶようご注意ください。

住所:大分県大分市佐賀関750-69
アクセス:JR日豊本線「幸崎駅」からタクシーで約15分
営業時間:始発便〜最終便(年中無休)
まとめ
大分県は、温泉地の情緒と歴史ある街並み、そして豊かな自然が調和する、アニメ聖地巡礼にぴったりのエリアです。山々に抱かれた風景や趣ある文化遺産は作品世界と重なり合い、訪れる人に物語の余韻を思い起こさせます。
今回ご紹介したスポットをきっかけに、大分ならではの景観や文化に触れながら、作品と現実が響き合う特別な巡礼の旅に出かけてみてください。温泉や観光もあわせて楽しめば、舞台をめぐる体験がより豊かな思い出となるでしょう。
