細田守作品の“風景”を読み解く大規模展が今夏開催 『時をかける少女』公開20年周年で原点に迫る

アニメーション映画監督・細田守の代表作『時をかける少女』が公開から20周年を迎えることを記念し、過去最大規模の展覧会「細田守の原点/展」が、この夏、東京・京橋のCREATIVE MUSEUM TOKYOで開催される。会期は2026年6月20日から8月31日まで。

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初期代表作を中心に制作資料を一挙公開

本展は、『時をかける少女』『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』といった細田作品の中核を成す3作品を中心に、絵コンテやレイアウト、原画、美術ボードなどの制作資料を一堂に集めるもの。これまでにない規模での展示を通じて、細田監督の映像演出の原点と進化を立体的に体感できる内容となる。アニメーションや映画、絵画など多様な表現からの影響を取り込みながら独自の映像世界を築いてきた同監督の創作の軌跡に加え、近年の作品『果てしなきスカーレット』へと連なるテーマ性や作家性にも迫る構成だ。

2006年に公開された『時をかける少女』は、筒井康隆の原作をもとに現代の高校生の青春と成長を描いた作品で、わずか6館からスタートしながら口コミで話題を呼び、40週に及ぶロングラン上映を記録。上映館は最終的に100館以上へと拡大し、アヌシー国際映画祭長編部門特別賞をはじめとする数々の国際賞を受賞し、細田守の名を世界に広めた。

また本展の開催にあわせて、『時をかける少女』の4K版による全国リバイバル上映も2026年夏に実施されることが決定した。初の4K化による上映となり、新宿ピカデリーをはじめ全国の劇場で公開される予定で、作品の魅力を最新の映像体験で味わうことができる。

東京開催後は大阪・福岡へ巡回

東京会場の後は、大阪・福岡への巡回も予定されており、大阪は2026年10月から2027年1月にかけてグランフロント大阪、福岡は2027年1月から3月にかけて福岡市美術館で開催される。チケット情報などの詳細は今後、公式サイトやSNSで発表される見込みだ。

CREATIVE MUSEUM TOKYOは、2024年に開業した大型展示施設で、アニメやマンガをはじめとするポップカルチャーから現代アートまで幅広い企画展を展開してきた。作品そのものだけでなく制作背景やプロセスまで体感できる展示が特徴で、ミュージアムショップやテーマカフェと連動した体験型の空間づくりでも注目を集めている。今回の「細田守の原点/展」も、単なる資料展示にとどまらない、作品世界への没入体験が期待される。

「聖地」へとつながる背景美術へのこだわり

また、細田守作品は実在の風景や地域をモデルとした描写が多いことでも知られている。『時をかける少女』では東京の下町風景が印象的に描かれ、『サマーウォーズ』では長野県上田市の風景が物語の基盤となっている。こうした“現実と地続きの物語”は、作品の余韻を現地で追体験する“聖地巡礼”という楽しみ方とも親和性が高く、多くのファンが舞台となった場所を訪れてきた。

今回の展覧会では、そうした舞台性を支える美術設定や背景資料も多数展示されるとみられる。作品の裏側から風景の作られ方に触れることで、作品鑑賞だけでなく、その後に訪れる現地での体験もより深まる機会となりそうだ。作品鑑賞と現地体験をつなぐ視点としても注目される。

「細田守の原点/展」公式サイト:https://hosodagenten.exhibit.jp/