大阪大学特任教授・坂口志文氏は、免疫の暴走を抑える働きを持つ「制御性T細胞(Regulatory T cell, Treg)」を発見した功績により、2025年のノーベル生理学・医学賞を受賞した。この快挙に対し、アニメ『はたらく細胞』で制御性T細胞役を演じた声優・早見沙織が7日、自身の公式X(旧Twitter)を更新。「受賞おめでとうございます!」と祝意を述べ、「『はたらく細胞』という作品で制御性T細胞役で出演させていただいておりました。これを機に、あらためて制御性T細胞について知っていきたいと思います!」と投稿した。
『はたらく細胞』は、体内で働く細胞たちを擬人化して描いた人気アニメで、白血球や赤血球などの働きをわかりやすく紹介し、幅広い層に支持された。早見が演じた制御性T細胞は、暴走しがちなT細胞を抑え、免疫異常を防ぐ“調整役”として描かれており、坂口氏の研究テーマと直接重なる存在である。

坂口氏は2003年、制御性T細胞を生み出す遺伝子「FOXP3」を特定したことで知られ、その発見は「免疫学最後の大発見」とも称されてきた。自己免疫疾患やアレルギー治療への応用が期待される今回の受賞は、基礎研究が臨床医療へとつながる象徴的成果として注目を集めている。アニメを通じて免疫学を知った視聴者にとっても、科学とエンタメが交わる象徴的な出来事となった。
